65: ◆TPk5R1h7Ng[saga sage]
2014/10/20(月) 02:28:13.54 ID:JPB5Xzmlo
魔王『貴様は勇者パーティーの魔法使い…一人でよくぞここまで辿り着いた。だが貴様のその命運もここで』
エレナ『いえ、そういう小芝居は良いので話を聞いて下さい』
魔王『……何?ククク、面白い。この魔王を前に臆する事無く対話を求めるとは…』
エレナ『だから、小芝居は良いんです。元勇者のノーブル様か、それ以前の勇者様ですよね?』
魔王『………………………………… 何を言っている。我は魔お―――』
エレナ『思いっきり間がありましたね。と言うか演技下手です』
魔王『ぐぬ…………うん。君の予想通り、私は元勇者のノーブルだ。何故それが判ったんだい?』
エレナ『うわっ……戻られたら戻られたでギャップがウザいです…』
魔王『君…対話に来たんだよね?』
エレナ『はい、そうでした。コホン、まず自己紹介しておきますね…私はエレナ・パーシバル。ご存知の通り、勇者パーティーの魔法使いです』
魔王『知っているよ。魔法学校を主席で卒業した天才児らしいじゃないか』
エレナ『買い被りすぎですよ。実際は私より魔法が上手い人が居なかっただけです』
魔王『ズバっと言うね』
エレナ『オブラートを使うのが苦手なんです』
魔王『成る程、ユニークな子だ。で、話を戻すけど……何故、魔王の正体が勇者だと判ったんだい?』
エレナ『勇者君を観察していたら、そういう推論が浮んだからです。ちなみに、エイベル様の力では魔王にはなれなかった筈なので除外しました』
魔王『確信するに至った理由は?』
エレナ『ノーブル様が、かけたカマにかかったからです』
魔王『………ん?と言う事は、確信を得て居ないのにも関わらずここまで乗り込んで来たと言う事だよね?』
エレナ『そうです』
魔王『…危険だとは思わなかったのかい?』
エレナ『勿論思いましたよ。でも魔王城に帰還した後だと、絶対に一人で乗り込んで来れませんし。時間的にも手遅れになってしまうので』
魔王『……そこの所、詳しく聞かせて貰えるかい?主に、手遅れだって所』
エレナ『勿論です。で、それに関わる質問なんですが…勇者くんの事、どう思います?』
魔王『勇者君の事?…えぇと、そうだね。正義感が強くて、勇気もあって…正に勇者という感じの人物だよね』
エレナ『それは私も同感です。ですが、聞きたい所はそこじゃないんです』
魔王『と言うと?』
エレナ『勇者君の強さ、見込む事が出来る伸び代。魔王に勝てるだけの力があるかどうかです』
魔王『………君、オブラートが苦手などころか嫌いな方だろう』
エレナ『はい、正直嫌いです』
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