過去ログ - レッサー「『新たなる光』の名の下に集えよ、戦士」 〜闇、海より還り来たる〜
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2014/10/27(月) 12:42:01.66 ID:xoBLCxJo0
上条「どこが?つーか神様や神話に矛盾も何もあったもんじゃ――」

バードウェイ「ギリシア神話のアルテミスは『純潔と狩猟の神』で――」

レッサー「――エペソスのアルテミスは『豊穣と出産、そして狩猟の神』なんですよねぇ」

上条「……はい?」

バードウェイ「『カリストは純潔を失い雌熊への姿を変えられた』んだが、『豊穣の女神がそんな事をする道理がない』と思わないか?」

バードウェイ「もしカリストが身ごもっていたら?そうするとアルテミスは『自身が加護を与えるべき妊婦へ罰を与えた』話になる」

レッサー「『純潔の神』と『豊穣・出産の神』は明らかに相反するんですよねぇ、これが」

上条「アルテミスは出産の神様、妊婦さんを守る神様であって」

上条「妊婦さんになるためには……まぁ、その、なんだ。すべき事をしなくちゃならない訳で」

上条「でもそうするとアルテミス的にはNGだって話か?矛盾、つーかおかしいだろ!」

レッサー「その疑問へ対する回答としては『アルテミスは元々オリンポスの神ではなかった』でしょうかね」

上条「え?ギリシア神話に出てくるんだろ、だったら」

レッサー「えぇ出て来ますよね、ギリシア神話『にも』ね」

バードウェイ「というか、ギリシアは多数のポリスで構成された連邦国家だ。それぞれの地域や支配都市で文化は異なる」

バードウェイ「それらの神話を統一、集合化させたのがギリシア神話。例えば――ヘルメス。英知と盗賊の神、ヘルメス神は知っているか?」

バードウェイ「愚か者に華を持たせてやれば『盗躁』の神と言ってやらなくもない」

上条「靴関係で素早さを上げてくれる神様?」

バードウェイ「彼女――もとい、彼は元々エジプトが由来の智恵の神だ。それを信仰する人間達がギリシアへ加わり、神話に組み込まれた」

上条「あー、建宮と似たような話したかも。『征服者が被征服者の神を墜とす”以外”の神話も作られる』って」

レッサー「まぁそれも結構あるんですが、中には比較的穏健な国家・民族融合もありましてね」

レッサー「その場合、二つ以上の神様が一つの国家に存在する矛盾が生じます。さて、それを解消するにはどうすれば良いでしょうか?」

上条「それが、『同一視』、か?」

レッサー「ピンポーン!正解!」

バードウェイ「……ま、そこまで大掛かりな話ばかりじゃなく、『信仰の上書き』だってある」

バードウェイ「『今まで○○と信じられていたものが、実は××のお陰だった』的な話だよ」

レッサー「十字教も一時期盛んにやっていましたよねぇ、これ」

上条「十字教が?何か敵対する宗教を邪教認定して攻撃してるイメージがあんだけど」

バードウェイ「それ”も”正解。ただそれ”以外”にもやっていたのさ」

レッサー「聖人や神の奇跡を紐解いていけば、実は別の信仰の一形態や異教の英雄だった、みたいな話です」

バードウェイ「そうだな……マーリン、知っているか?アーサー王の使いっ走りの魔術師だ」

レッサー「……あのぅ、それはちょっと」

上条「名前は何となく。何やった人なのかまでは知らない」

バードウェイ「奴は夢魔の血を引いていて、高い魔力の才能を受け継いだんだが、邪悪な気質も同居していた”らしい”んだよ」

バードウェイ「だが彼は赤子の際に十字教の洗礼を受けたため、邪悪からは守られたんだとか。はっ、中々笑える話さ」

上条「笑えるって、なにが?」

バードウェイ「当たり前の話だが、ローマ正教は魔術の行使を禁じている。少なくとも表向きはな」

バードウェイ「魔術を使う人間を嫌い、『魔女狩り』をしたのは好例だよ」

バードウェイ「だというのに歴史上に名を残すような『”魔術”師』が、十字教の洗礼を受けたお陰だと宣伝していた時期があった」

レッサー「……色々あったんでしょうねぇ、えぇきっと」

バードウェイ「ま、それと同じく二柱――いや、下手をすればもっと『たくさんのアルテミスが存在した』んだよ」


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