61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/31(金) 15:21:32.35 ID:H1upO5u50
手の中で文芸部室の鍵を弄びながら少し考えるが、すぐに答えは出る。
恐らく、同じ場所を狙って、同じように振る舞っただろう。
俺も大概、面倒くさい性格をしているしな。
キョン「唐突にこんな事を思いつくところは正直、尊敬に値するよ」
62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/31(金) 15:22:40.06 ID:H1upO5u50
一旦区切り。あと10レスくらいでしょうか。
お付き合いいただければ。
63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/31(金) 17:33:28.34 ID:XWl6t3m+0
据え膳食わぬはなんとやら
64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/31(金) 20:14:13.23 ID:H1upO5u50
再開しますー。
よろしくお願いします。
65:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/31(金) 20:15:39.77 ID:H1upO5u50
旧校舎にて活動を行っている分、片付けの比較的早い文化部と、先程のチャイムから片付けを始める運動部の間隙を縫った帰宅らしく、人があまりいない、行きは辛くて帰りは楽な北高の坂を六人揃って下る。
前方で固まり何やらか話す女子組に交じる気にはならず、隣にいる古泉に何となく歩調を合わせながら緊張とか疲れとかを丸ごと吐き出そうと、深く息を絞り出す。
古泉「他人事だと思って、と怒られるかもしれませんが」
66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/31(金) 20:22:48.91 ID:H1upO5u50
キョン「そりゃどうも、光栄だね」
探り探り話す古泉にひらひらと手を振って、別に何を言われようと気にしない意を示す。
あちらもそれを汲み取ってくれたようで、いささかほっとした様子で話を続けた。
67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/31(金) 20:27:13.86 ID:H1upO5u50
キョン「知らなかったよ、ホントだ。お前も疑り深い奴だな」
古泉「いや、失礼。性分と言いますか、どうも」
キョン「第一、知ってたとして隠すメリットはないだろう。それに朝倉も言ってた行動に迷いがなかったってのは、俺としては根拠が薄いように思うがね」
68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/31(金) 20:32:48.37 ID:H1upO5u50
キョン「何だそりゃ」
古泉「つまりあなたにとっては別に、手の甲にキスする事に対して『接吻』がどんな意味を説いていようと関係なかったのではないでしょうか、と思うのですが」
いつぞや、俺に俺が巻き込まれつつある現状を説明した時のように、生き生きとした表情で古泉は続ける。
69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/31(金) 20:37:53.76 ID:H1upO5u50
仕方ないからもう少し付き合うことにする。
あまり抑止力にはならなかったとはいえ、それは結果だけを見ればの話で、あの場にいたメンバーの中で唯一、古泉は味方っぽいことをしてくれた。
バッサリ切ってしまうのも、さすがに不義理が過ぎる。
キョン「それにしたってやっぱり弱いと思うね。別に俺はあの場にあってどこにキスしようがどうでもよかったんだ、躊躇う理由も無いだろう」
70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/31(金) 20:41:24.92 ID:H1upO5u50
あー、しまった。
それがあったか。
表情を気取られないよう、焦点の合わせない視線を前方に向け続けながら内心臍を噛む。
別に古泉としても世間話の域を出ていないんだろうから黙秘を通してもいいんだがな、と唇をへの字に結び、どうしたもんかとゆっくり考えを巡らせるが、古泉としては沈黙を好機と見たようだ。
71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/31(金) 20:46:30.99 ID:H1upO5u50
古泉「あ、はい、何でしょう」
みくる「涼宮さんが呼んでましたよ、何でも今週末の活動について何とか、とか」
古泉「分かりました、ありがとうございます」
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