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2014/10/31(金) 20:27:13.86 ID:H1upO5u50
キョン「知らなかったよ、ホントだ。お前も疑り深い奴だな」
古泉「いや、失礼。性分と言いますか、どうも」
キョン「第一、知ってたとして隠すメリットはないだろう。それに朝倉も言ってた行動に迷いがなかったってのは、俺としては根拠が薄いように思うがね」
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2014/10/31(金) 20:32:48.37 ID:H1upO5u50
キョン「何だそりゃ」
古泉「つまりあなたにとっては別に、手の甲にキスする事に対して『接吻』がどんな意味を説いていようと関係なかったのではないでしょうか、と思うのですが」
いつぞや、俺に俺が巻き込まれつつある現状を説明した時のように、生き生きとした表情で古泉は続ける。
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2014/10/31(金) 20:37:53.76 ID:H1upO5u50
仕方ないからもう少し付き合うことにする。
あまり抑止力にはならなかったとはいえ、それは結果だけを見ればの話で、あの場にいたメンバーの中で唯一、古泉は味方っぽいことをしてくれた。
バッサリ切ってしまうのも、さすがに不義理が過ぎる。
キョン「それにしたってやっぱり弱いと思うね。別に俺はあの場にあってどこにキスしようがどうでもよかったんだ、躊躇う理由も無いだろう」
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2014/10/31(金) 20:41:24.92 ID:H1upO5u50
あー、しまった。
それがあったか。
表情を気取られないよう、焦点の合わせない視線を前方に向け続けながら内心臍を噛む。
別に古泉としても世間話の域を出ていないんだろうから黙秘を通してもいいんだがな、と唇をへの字に結び、どうしたもんかとゆっくり考えを巡らせるが、古泉としては沈黙を好機と見たようだ。
71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/31(金) 20:46:30.99 ID:H1upO5u50
古泉「あ、はい、何でしょう」
みくる「涼宮さんが呼んでましたよ、何でも今週末の活動について何とか、とか」
古泉「分かりました、ありがとうございます」
72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/31(金) 20:52:28.05 ID:H1upO5u50
そんな具合にしばしの休息に浸って坂を下る俺に、朝比奈さんはにっこりと笑いかけた。
73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/31(金) 20:56:15.04 ID:H1upO5u50
キョン「はい?」
そのお顔は、さっき見たのと全く同じやけにすっきりとした、しかしどこか含みを持たせた笑顔で、いかにも先輩然とした雰囲気を湛えていた。
みくる「場所。左手、薬指、でしたよね?」
74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/31(金) 21:01:05.02 ID:H1upO5u50
しかもそれに付属した言葉はまさに俺が先程考えを巡らせた個所そのもので。
キョン「……え」
みくる「あれ、もしかして違いました?」
75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/31(金) 21:05:34.38 ID:H1upO5u50
絶対、バレないと思ってたのに。
あの場の流れの結論は確実に『接吻』に収束していただろうし、実際、ハルヒと朝倉はそれで考えに決着をつけた。
長門は何も言っては来ないが、それでも恐らく俺の意図まではわかっていないだろうし、最も情報を持っていた古泉だって確信はなかっただろうに、何故朝比奈さんがこんなに確信をもって、しかも。
76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/31(金) 21:11:20.12 ID:H1upO5u50
昔の誰かさんが遺した意味より、少なくともあたしにとってはよっぽどわかりやすかったですよ? と朝比奈さんは続けた。
キョン「……その答えは、文化が違う長門と朝倉にはともかく、ハルヒに失礼じゃないですか?」
みくる「あら、そうかも」
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