過去ログ - 希「東條希のツイてない一日」
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30: ◆oZf06d53Imn3[saga]
2014/10/28(火) 15:24:14.82 ID:a1iubFJpo

「うう、見られてしまいました…………もう終わりです……」

この世の終わりのような顔をする海未ちゃん。いや、そういってもな、多分メンバーの殆どが部室でたまに練習しとるの知っとると思うんよ。

海未ちゃんに直接言わないだけで。

「穂乃果やことり、花陽のみならず、希まで……」

「あーもう、よしよし。泣かんでええって、誰にもいわんから」

「うう……希ぃ……」

己の醜態を晒してしまった自責の念だろうか……。でも、そんなに気にしなくてもいいのに。海未ちゃんは言いながらウチに抱きついてくる。

本日三度目。胸の中には海未ちゃんが居る。穂乃果ちゃんや真姫ちゃんとはまた違った良さがあるなぁ。普段とのギャップ……というか。

「やはり、私がこんなことをするのは変なのでしょうか……」

「うーん。ウチは変やとは思わんなぁ」

「ほ、本当ですか?」

「うん。ホント。海未ちゃんだって女の子やん?可愛いことしたいもんな?……ラブアローシュートってな」

弓を射る格好をする。

「の、希!……からかうのは」

「いやいや、でも、それって普通のことやと思うんよ」

「普通……ですか?」

身長は殆ど同じくらいのはずやのに、胸の中の海未ちゃんはとてもあどけなく見える。涙目で上目遣いってところがきっとポイントなんだと思う。

そんな海未ちゃんを見ていると、自然に語尾が優しくなっていくのを感じた。まるで母が我が子にそうするかのように、な。

「スクールアイドルとして、可愛くありたいって、そう思うんやろ。それは全然普通の事」

抱きつかれる暖かさは秋の日には丁度いいかもしれない。腕の中の海未ちゃんを感じながらウチは言う。

「だって海未ちゃんこんなにかわええもんな」




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