過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/11/23(月) 19:24:22.75 ID:ZUaUlY1C0
町を一通り見回り終わり、勇者達は遂に王宮に足を踏み入れた。
ただし、武道家のみ、勇者に何事か耳打ちされて別行動に移っている。
正面入口から中に入ると広いエントランスホールになっていた。
エントランスは三階に該当する部分まで、巨大な吹き抜けになっている。
床にある大きな赤絨毯はそのまま真っ直ぐ正面の大階段へと繋がっていて、左右の壁にはそれぞれ四つのドアが設えられていた。
勇者「……」
戦士「……」
僧侶「……」
誰も言葉を発さない。
半ば以上予想していたことではあった。
だが実際に目にするとやはり言葉を失ってしまう。
エントランスには、少なくとも十人以上の兵士が横たわっていた。
血だまりはとっくに固まって黒く変色し、これだけ広いエントランスに腐臭が立ち込めてしまっている。
上下や左右に分かたれた死体もある。一刀で鎧ごと切り裂かれた様子だ。
正面大階段を上がり、殊更重厚な作りの扉を押し開ける。
目の前に、玉座があった。どうやらここが王の間らしい。
そしてそこが、最も酷い惨状となっていた。
数多の兵士の死体が床に折り重なっている。もはや、足の踏み場もない程に。
たっぷりと横にも広い部屋であるはずなのに、その両壁に血の跡がべっとりと残っていた。
そして壁に寄り掛かるようにしてある、歪に曲がった兵士の死体。
吹き飛ばされ、壁に叩き付けられ、潰れて絶命したその情景がまざまざと勇者の脳裏に浮かぶ。
勇者(そんな……そんなことが可能だとしたら、一体、それはどれ程の膂力で……)
玉座は空席だった。
その主は、この部屋の最も奥の、右隅の角で死んでいた。
とはいえ、それも断定はできない。
おそらく盗賊によって身包みを剥がされたのだろう。その死体は裸同然の格好だった。
死体自体も腐敗が進んでおり、もはや生前の面影を読み取ることは出来ない。
だが、状況的にその死体が王である可能性は高そうだった。
兵士を皆殺され、王は逃げ場を無くし、こんな部屋の隅まで追い詰められ、討たれた。
きっとそういうことなのだろうと勇者は思った。
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