過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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880:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/11(月) 23:45:41.20 ID:50uoFRyB0
 作戦の決行は七日後に決まった。
 各国の代表者たちは一度国に戻り、勇者の作戦に参加するための精鋭部隊の編成にとりかった。
 善王は大神官団から選りすぐりの四人を選抜した後にかつて追放した神官長を加え、直ちに武の国へ派遣した。
 神官長も含め、派遣された五人の高位神官たちはエルフ少女に師事し、宝術発動の為の修練に努めている。
 日を跨ぐにつれ、続々と各地の精鋭たちが武の国に集結。
 武王の命により作戦参加者は手厚くもてなされ、英気を養った。
 また、武王の計らいで、作戦参加者だけでなくその家族や近しい者達も武の国へ招待され、一時的な住まいを与えられていた。
 その中には、勇者の母もいた。

母「いよいよ魔王に挑むのね、勇者」

勇者「ああ」

母「大丈夫よ。自信をもって。あなたはあの『伝説の勇者』様の息子。絶対に勝てるわ。というより、負けるはずがないのよ。なんていったってあなたは、あのお方の息子なんだから」

勇者「そうだね。僕もそう思う。母さんは心配しないで僕の帰りを待っていてよ」

母「ええ。そうするわ。大丈夫よ。心配なんてしていない。自分の運命を信じるのよ、勇者」

 母子はぐっ、と抱擁を交わす。
 母は安らかに満ち足りた顔で。
 子はその真逆の表情で。
 勇者は母に父の健在について話すべきか長らく逡巡していたが、結局黙っていることにした。

勇者(清廉潔白が服着て歩いてるようなあの親父が生きてて帰ってこないってんなら、何か帰ってこれない理由があるんだ。それが判明しない内は、いたずらに母さんをぬか喜びさせるようなことは言うべきじゃない、な……)

勇者(俺も、この戦いの後生きて帰ってこれるかわかんないわけだし……)



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