12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:25:53.49 ID:7XpzpOnTO
自分でも驚くほど素直な言葉が出た。
そして、言って怖くなった。僕の誠実が否定されるのはたまらなく恐ろしかった。
僕は自分の臆病さで誰かの誠実を踏みにじったのかもしれないのに。
彼女は真面目な顔になった。
「それは冗談なの……」
「違うよ。これは、違うよ」
疲れていたのだろうか、それとも彼女にはそう言って欲しくなかったのだろうか、僕は涙目になってしまっていた。
「あなたが臆病な理由は、やっぱり、すごく傷付きやすいからなんだね」
「うるさい」
大学生になって、こんなことで泣きそうになってしまう自分があまりにも情けない。
僕は体が大きくなっただけで、実際は全く成長できていなかったのかもしれない。
彼女はあまり表には出していなかったけれど、かなり困惑していた。
それが嬉しかった。
僕の誠実は彼女に伝わっていた。
しかし、彼女は何も言わなかった。
僕もこれ以上何も言えなかった。
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