5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:11:48.93 ID:7XpzpOnTO
「傷つくな。泣いてしまいそうだ」
冗談だと分かるような口調と表情を作るが、実際は言葉通りの心境だった。
僕はお調子者を装うことが多々あるけれど、それは真面目に他人と関わる自信がないからだ。
僕の誠実が他人に嘲笑されるのが怖かったからだ。
それはとても吝嗇だし、なによりも臆病であることの証明だった。
「なんか卑怯だよね、そういうの。みっともない」
「放っておいてくれよ」
笑って言おうと思ったけれど少し怒気が口調に混じってしまった。
「へたくそだね。上手に隠せないなら隠さなきゃいいのに」
「これは俺なりの人への気遣いなんだ。
君みたいに物事を率直に言うとさ、怒ったり悲しんだりする人は少なくないだろ。
俺は誰ともケンカしたくはないんだ。
善良な性格だから、ね」
少し本心を混ぜながら、本心をごまかすために終わりの言葉を冗談っぽく言ったはずだ。
本当に思惑通りにできていたかは自信がない。
「だから笑顔を貼り付けるの……。
それじゃあ本当に理解してくれる人は現れないよ」
「別にそんなもの求めてなんかいない」
35Res/25.83 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。