過去ログ - 小説的なやつ
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:14:25.54 ID:7XpzpOnTO

僕はまじまじと見つめてくる彼女の視線を逸らせようとして、別の話題を振る。

「それよりも、向こうで男と女二人で言い合ってる。
修羅場ってやつじゃないか……」

「真面目な話は嫌いなんだね」

彼女は僕の考えた通りに動いてくれるほど単純ではなかった。
僕は観念して話を戻した。

「だってさ、そんなことを真面目に論じてどうするんだよ。
今更、やめろって言われても手遅れなんだよ。
君の言う通り俺は臆病なニワトリちゃんだからさ、こういう顔しかできないんだよ。
だから放っておいてくれよ。
――おっと、男が平手打ちされた。
痛そうだな、ここまで打撃音が聞こえたぜ」

「私はあなたに真面目な顔で話してほしい。不器用でもいいから」

「何だよ、無茶言うなよな」

僕は少し不機嫌そうにそう言った。
彼女は眼線を少しだけ下げて黙ってしまった。
僕も何を言っていいのか分からなくて、無言で怒りながら立ち去っていく女の一人を観察していた。
片方が立ち去ってからすぐにもう一人の女も男から立ち去っていた。
残された男は茫然とした様子で、その場に立ち尽くしていた。



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