8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:17:46.98 ID:7XpzpOnTO
  
 それからしばらくは何となく物憂げな気持ちで生活を送っていた。 
 梅雨の天気が憂鬱な気持ちを助長させていた。 
 新生活を送る上での少しの無理が応えてきてもいた。 
 それでも僕はお調子者のふりを無意識に続けてしまう。 
 その度に僕は彼女の顔と彼女の言葉を思い出すようになってしまった。 
 自分の笑顔に対する違和感が大きくなっていた。 
 そのうちに自分は笑えなくなってしまうのではないかと不安になった。 
 それでも誰一人として僕のそんな様子に気づいてはいなそうだった。 
 もしくは気づいていたけれど僕なんかどうでもよかったのかもしれない。 
 僕たちの関係などたかが知れていた。 
  
 「お前は悩みが無さそうで良いよな」 
  
  学部の友人の無神経な言葉が感情を荒く逆撫でしても僕は笑顔を貼り付け続けた。 
 僕にはこういう生き方しかできないと思っていた。 
 実際に今までもこういう生き方をしていたのだし。 
  
  講義の終了後に彼女が話かけてきた時、僕はかなり陰鬱な思いに沈んでいた。 
  
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