59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:33:37.14 ID:sQ4l+FLzo
■
その日はまさに夏真っ盛りといった具合で、さんさんと照り付ける太陽があまりにも熱かったせいでしょうか
どこか責め立てられるような感じがして、少しうんざりしていたんです
60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:34:48.56 ID:sQ4l+FLzo
私も普通の女の子ですから、自分の正気を疑いつつも
可愛らしい妖精さんなんて見た日にはなんだか嬉しくなってしまうんです
暑さでおかしくなってるんだなと頭の隅で考えながら、折角だからそれでもいいかと思いまして
61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:35:59.73 ID:sQ4l+FLzo
その日は確か学校の帰りで、お父さんが迎えに来てくれるからってバス停で待ってたんです
うちは学校からはちょっと遠くて、歩いてこれる範囲ではあるんですけど
迎えに来れる日はなるべく来てくれたんです、今思えばちょっと贅沢な話ですね
62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:36:58.43 ID:sQ4l+FLzo
それから、そうですね。ここからはあまり思い出せないんですけど
何より覚えておきたいことじゃないから、はっきりとは言えないんです
ただ、自分ではとても情けない話のように思えるんです。軍人さん、絶対に笑わないで下さいよ?
63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:38:53.49 ID:sQ4l+FLzo
それで私が近付いて行って、どちらかの男性が私に気付いたんです
その人はとても驚いた様子で私を見ていたと思います、怯えていたかもしれません
ごめんなさい、曖昧で。あまり良く覚えていないので
64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:41:00.58 ID:sQ4l+FLzo
それからどうしたんでしょうね、気付いた時にはもう海の中でした
覚えてないんだから仕方ないです、思い出せるのはこれだけ
65:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:42:06.48 ID:sQ4l+FLzo
静かな海の底へと沈みゆく私は、どうしてこうなってしまったのかを考えていました
もしもあそこであの二人組に話しかけていなければ、きっとこうはなっていなかったでしょう
もっとよく二人の様子が見えていれば、その尋常じゃない様子に気付くことも出来たでしょう
66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:43:27.74 ID:sQ4l+FLzo
そういえば妖精さんは今頃何をしているのでしょうか
帰り道を一緒に来てたから、もしかしたら私に巻き込まれて海に落ちてしまったかも
でもあの時にはもういなかった気もするから、無事でいてくれたら幸いです
67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:44:40.01 ID:sQ4l+FLzo
すると今度は何かの声が聞こえてきました、どこか聞き覚えのある様な
これは確か、私に名前を教えてくれた時の妖精さんの声
68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:50:45.48 ID:sQ4l+FLzo
■
「今年の夏も父はここまで来てくれたんですよ」
私と待ち合わせをしていたこのバス停までやってきて、それからしばらくこのベンチを眺めているんです
95Res/69.36 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。