69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:52:22.49 ID:sQ4l+FLzo
「一度、自分の家に行ったことがあるんです」
誰にも見つけてもらえないのがあまりにも寂しくなって、歩いて家に帰ったんです
自分の家に着いて、玄関から入るのがなんだか怖くなって
それで庭から覗いてみたんです、居間の様子をそーっと
「あそこは確かに私の家でしたけど、やっぱりもう帰れないんです」
そこで母の姿を見つけて思わず飛び出しました
声をあげて母の名前を呼びながら、母のもとへ駆けつけようと思ったんです
もちろん私の声は母には届かなくて、まるで跳びつくように腕を伸ばしたんです
気付いて欲しいと思って声を出して、こっちを見て欲しいと思って伸ばした腕は
私が伸ばした腕は窓を静かに突き抜けて、部屋の中へと入っていったんです
それを見て私が絶句しているにも関わらず、やはり母は私に気付いてくれない
そうしてやっと気付いたんです、もう私はこの家に帰ることは出来ないんだと
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