過去ログ - 後輩「先輩、やっぱりここにいたんですね」
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42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 23:33:00.52 ID:Gwy6WD/L0
男(眼鏡が飛ばされちゃったな。どこだろう……)

司書「君の探し物はこれかな?」

男「……どうも」
以下略



43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 23:35:32.96 ID:Gwy6WD/L0
 閉館時間になり、男はいつも通り、真っ直ぐ施設へ戻った。

 中では、誰かとすれ違っても、会釈や挨拶をするどころか目線さえ合わす事ない。

 男にとって必要のない行為で、しない事が当たり前だからだ。
以下略



44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 23:38:22.81 ID:Gwy6WD/L0
 とはいえ、男としても好都合。

 流石に手洗いと風呂は他の者たちと同じ場所を使わなければならないが、タイミングさえ間違わなければ問題ない。

 最悪、金のかかる銭湯などは難しいが、手洗いは近くのコンビニを利用出来る。
以下略



45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 23:40:42.40 ID:Gwy6WD/L0
 頬に手を添えていた腕を動かし、そのまま顔の上に乗せた。

 視界が遮断され、世界が黒く染まる。

男(明日になれば、消えるはず。早く寝よう)
以下略



46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 23:42:23.81 ID:Gwy6WD/L0
 非力と自覚している腕力では、コンマ数ミリもしならせられたかどうかわからない程度で、板は無傷。

 傷ついたのは男の拳の方だ。

 殴られた事は数えられないが、殴った経験などない。
以下略



47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 23:44:29.75 ID:Gwy6WD/L0
 血を零さないように気を付けながら、上半身を起こしてベッドから降りる。

 移動して、机の上にある箱からティッシュを何枚か引き抜き、適当に拭った。

 濃い赤に染まったそれをゴミ箱に捨てると、もう一度ティッシュを手に取り、今度は傷口に押し当てる。
以下略



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 23:46:20.50 ID:Gwy6WD/L0
男(職員の誰かか?)

 時々、施設の職員が部屋に訪れる事があった。

 職員たちにとってはどうしても直接伝えなければならない事なのだろうが、男にしてみればただの無駄な時間だ。
以下略



49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 23:47:45.85 ID:Gwy6WD/L0
男(面倒だなぁ)

 男は嫌々ドアへ向かう。

 相手に開けさせないためだ。
以下略



50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 23:55:41.66 ID:Gwy6WD/L0
後輩「こ、こんばんは、です」

 ドアの先にいたのは、後輩だった。

 彼女は気まずそうに体の前で組んでいる両手の掌を擦り合わせている。
以下略



51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 23:56:57.01 ID:Gwy6WD/L0
後輩「その……私からもお話がありまして」

男「僕には聞く義務なんてない」

後輩「あります!」
以下略



52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 23:59:34.27 ID:Gwy6WD/L0
 未知の存在がひたすら恐ろしく感じた。

 後輩に一度たりとも視線を向けなかったために知らなかったが、この目で見られていたかと考えるだけで、鳥肌が立ち、背中に汗が滲むほど。

 けれど同時に魅入ってしまう目でもある。
以下略



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