過去ログ - 勇者の娘「お父様の仇を討ちます」
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1: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/11/20(木) 21:24:20.53 ID:cSJEM5KH0
自分の運命を自分で決める余地は無かった。
勇者一族の末裔なら勇者に。誰もがそれに疑いを持たない。
人々が自分にそれを期待しているというのに、どうして反発できようか。
こうして私は流されるまま、勇者となる運命をごく自然に受け入れていた。

しかし――

「貧相な人間の小娘だな。こんなのが勇者だと?」
「その一族に生まれただけの小娘に過ぎん」
「その血筋だというだけの者に希望を抱くとは、だから人間は頭が悪くて嫌いなのだ」

敵から浴びせられた嘲笑が私の頭の中で渦巻いていた。
彼らの言うことこそが正論。私は一族に生まれただけの小娘。
しかし、その心無い言葉と現状に、初めて私は決意した。


本当の勇者になってやろう、と――

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