8: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/11/21(金) 21:54:29.28 ID:kVCj7/h70
005
正直に言おう。
僕は見蕩れていた。
文字通り言葉も出ずに、僕は固まっていた。
「どう?似合うかしら」
似合うに決まっている。
彼女が本当に僕の恋人からクラスチェンジして嫁になるだなんて、目の当たりにした今現在であろうとも信じ難い事実だ。
「でも、阿良々木ひたぎってなんだか噛むことを強要しているようや名前よね」
余計なお世話だ。
ひたぎは白無垢も似合うかと思っていたが、断然ウェディングドレスの方が似合っている。
これは本当にひたぎか?
僕は人生の絶頂においてショックにより死んでいて、夢を見ているんじゃないか?
「ありがとう。暦にそう言ってもらえて嬉しいわ」
ひたぎはとびっきりの笑顔と共に、殊勝にもそんなことを言った。
「こんな日くらいは、私も素直になるわ……特別な日だもの」
そうだな、その通りだ。
「一生離さないでね、暦」
当たり前だ。
この腕が千切れたって、離すものか。
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