過去ログ - 御坂「――――私は私、よね」
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51:END[saga]
2014/11/27(木) 00:00:20.77 ID:6pDyQ85i0
ガガッ……ガガ……ピー……ガガガッ……ピー……
薄汚れた廊下に転がっているラジオから、あの音声が流れる。


『分からない? そうね、あれは自分で気付かないと意味がなかった』

『でもあれ以外のものまでいつまでも気付かずにあの中を彷徨われても迷惑。だから、ちょっと話をしましょうか』

『長ったらしい? 分かりにくい? 何を言ってるのか分からない? でしょうね』

『元々こんな話をするつもりもなかったし、分からせるつもりもなかったからわざとそうしてるのよ』

『「認識」って凄く大事なことだと思わない? もし林檎を指してそれを西瓜だと言う人間がいたとしても、それはおかしなことじゃない』

『その人間が生まれた時から林檎を西瓜だと教えられていればそれは紛れもない事実でしょうし、自分と他人で「赤」や「林檎」の定義が違っているかもしれない』

『そうでなくてもその人間がそう認識すればそうなるのよ』

『ええと、ほら。よく言うじゃない。「お前の中ではね」ってやつ。それがその人間の中で完結することもあれば、それが周囲に波及することもあるでしょう』

『でもちょっと困ったケースも起こり得るわけよ。別に林檎を西瓜だと認識し、その通りに歪んだ世界を見る程度ならまだいいわ』

『じゃあ、その対象が変わったら? 本来揺らぐことのない、根幹への認識が変わってしまったら?』

『たとえば、そうね――――アメリカ人の人間がいるとする。その人はずっと自身をアメリカ人だと認識していて、またそうである自身を肯定しているわ』


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