109:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/11/30(日) 00:33:11.21 ID:FOJIl/Lf0
そして俺は今、夕闇の中を必死で自転車をこいでいた。
飽きてパラパラとめくった本には一枚の紙と二枚の栞が挟まっていた。
紙は入部届け。
一枚目の栞には、
『プログラム起動条件・鍵をそろえよ。最終期限・二日後』
二枚目の栞には、
『午後七時。光陽園駅前公園で待つ』
俺がこの本を受け取ったのは一か月以上も前の話である。最終期限というのはその日から二日後のことだろうか。それとも今日から二日後ということだろうか。午後七時というのは、その日の午後七時のことなのだろうか。それとも今日の午後七時でいいんだろうか。まさか俺がこのメッセージをいつ目にしてもいいように、毎日公園で待っていたりしてたんじゃないだろうな。今日必ず読めといった長門の真意は、今日こそこの栞を見つけろってことだったのか?しかしそれなら部室で直接俺に言えばいいだけだし、そもそも夜の公園に呼び出す必要性が解らない。
幾つもの疑問を抱きながら光陽園駅前公園に着いたのは七時十分頃。大通りから外れているため、この時間になるとあまり人通りもない。
木製ベンチの一つに、長門有希の細っこいシルエットがぼんやり浮かんでいた。
長門は俺に気付いて糸に引かれた操り人形のようにすっと立ち上がった。
制服姿である。
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