過去ログ - ビッチ(改)
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/27(木) 23:49:45.67 ID:McEK2sxMo

「・・・・・・何でこんなことした」

 僕は怒りを抑えて妹を問い詰めた。きっと嘲笑気味に答が帰って来るだろう。僕はその
ことは承知していたけど、それでも今朝の妹の仕打ちは許せなかったのだ。

「何でこんなことをしたのか言えよ」

 案の定、妹はナオがいなくなるとすぐに僕の腕から手を離した。もともと僕に抱きつく
なんて嫌で仕方なかったのだろう。

「あんただって同じことしたじゃん」
 僕から離れた妹が目を光らせた。「前にあたしが彼氏と二人で歩いている時、あたした
ちのこと邪魔したじゃない」

「ちょっと待てよ。僕は別におまえとおまえの彼氏のことなんか邪魔した覚えはないぞ」

「したよ。町で偶然に出会った時、あんた彼氏のこと虫けらでも見るような目で見てたじ
ゃん」

 それは本当のことかもしれなかった。妹のことなんてどうでもいいとは思っていたけど、
それにしてもあんなクズと付き合っているとは思ってもいなかったから。だから、意識し
てしたことではないけど、妹の彼氏らしい男に無意識に見下すような視線を向けていたと
しても不思議なことではなかった。

「あんたは確かにあたしたちを見ただけで何もしなかったよ。でもね、ああいう目で見下
されただけでも心は痛むんだよ。あの後、彼氏が悩んじゃって大変だったんだから」

 妹が言うには自分を侮蔑的な目で見ている奴がいるからちょっと喧嘩を売ってきていい
かと妹の彼氏が言ったそうだ。妹があれはあたしの兄貴だよと話すと、そいつは今までの
威勢の良さを引っ込めて、俺って本当に駄目なやつに見えるのかなあと言って落ち込んだ
そうだ。

「その仕返しのためにわざわざ早起きして僕の後を付いて来たのか」

「それにあの子はあんたとは付き合えないよ」

「誰もそんなことは言ってないだろ」

 でも妹はもう何も話そうとしなかった。

 僕はその場に妹を置いて黙って駅に向って歩き出した。確かに妹の言うことにも一理あ
るのかもしれない。でも、妹とその彼氏を目撃する前から、妹は僕に対して数々の嫌がら
せを仕掛けていたわけで、こんなことは理由にならない。

 こいつには言葉が通じない。これ以上話しても無駄だ。そう考えたことは今回が初めて
ではないのだけど。



 ざわめく心を静めながら電車の中で吊り輪に掴まっていた時、携帯電話が振動した。僕
は携帯に着信したメールに目を通した。



from :××××@docomo.ne.jp
sub  :さっきはごめんなさい
本文『ナオです。教えていただいたばかりのアドレスにメールしちゃいました。彼女さん
と一緒で迷惑だったら読まなくてもいいですよ(汗)』

『さっきは待ち伏せしたりお名前を聞いたりとか図々しくてごめんなさい。あと、彼女さ
んと待ち合わせしてるなんて思わなかったんで、そもそもあんなところでふたりきりでお
話ししたこと自体がご迷惑でしたよね』

『本当に昨日のお礼を言いたかっただけなんですけど、万一彼女さんにが誤解したとした
らすいませんでした』

『もう彼女さんに誤解されるようなことはしませんので安心してくださいね』

『それではさっきはほんとにすいませんでした。彼女さんにもごめんなさいとお伝えくだ
さい』

『ナオ』


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