17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/27(木) 23:51:03.31 ID:McEK2sxMo
ナオからだ。このままナオの誤解が解けないのは嫌だ。そして誤解さえ解いてしまえば
この先もっとナオと親しくなれるかもしれない。僕はその時もうどんなに恥をかいてもい
いと思った。
ナオが僕のことを好きでなくてもいい。もうこれ以上僕の心には嘘をつけない。
普段臆病な僕だったけど、この時は妹との関係への誤解を解いてナオと親しくなりたい
ということしか考えていなかった。
from :○×○@vodafone.ne.jp
sub :Re:さっきはごめんなさい
本文『さっきの女の子は僕の妹です。あまり仲が良くないのですぐにああいう悪ふざけを
するんで困ってるんですけど、あいつは僕の彼女ではないよ〜』
『せっかく知り合えたのでナオちゃんともっとお話ししたかったです。一緒に登校できな
くて残念だよ。また会えたらその時はよろしくね。じゃあさっきは本当にごめんなさい』
送信してたいして間も空けずにナオは返信してくれた。
from :ナオ
sub :Re:Re:さっきはごめんなさい
本文『そうだったんですか。妹さんの冗談だったんですね。まじめに悩んじゃった自分が
恥かしいです(汗)』
『でも安心しました。これからも朝一緒に登校していただいたらご迷惑ですか』
『え〜い。もう勇気を出して言っちゃえ! ナオトさんって彼女いますか? 正直に言う
と昨日雨の中で出会ってからナオトさんのことが気になって昨日夜も眠れませんでした』
『面と向って告白する勇気はなかったんですけど、妹さんのおかげでメールすることがで
きたので頑張って告白しますね』
『一目惚れとか軽い女だと思われるかもしれないけど、ナオトさんのこと気になってます、
と言うかはっきり言うとナオトさんのことが好きです』
『明日の朝も駅前の高架下のところで待ってます。よかったらその時に返事してください
ね』
『それではまた明日』
『ナオ』
「ふ〜ん。そんなことがあったんだ」
渋沢が学食のカツカレー大盛りを食べながら言った。
昼休みになってすぐ、僕は渋沢に昨日と今朝の出来事を全部話して相談した。
「よかったじゃんか。初めて会って気になってた子が次の日におまえに告ってくるなんて、
何かのアニメみてえだな」
それは渋沢に言われるまでもなく自分でも考えていたことだった。こんな僕にはもった
いないほどの幸運としか言いようがない。
「まあ素直におめでとうと言っておこう。由里もこのことを聞いたら喜ぶよ。どういうわ
けかあいつ、やたらおまえのこと気にしてるしさ」
志村さんは約束どおり僕の恥かしい勘違いの告白のことを誰にも言わなかったようだ。
彼女は彼氏の渋沢にさえ、その告白を黙っていてくれたのだ。
「そんで明日も駅前で待ってるんだろ、その富士峰の中学生の子って」
「うん」
「きっちり決めろよ。おまえいざと言う時無駄に迷うからな。こういう時は余計なことを
考えずに素直にただ一言、俺もおまえが好きだ、でいいんだからよ」
「・・・・・・僕も君が好きです、じゃだめかな?」
「それでもいい。僕とか君とは普通は言わねえけど、おまえはそれが口癖になっちゃって
るしな。変に気取ってもすぐにばれるだろうしよ」
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