19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/27(木) 23:53:07.09 ID:McEK2sxMo
「何で勝手に音楽消すのよ。あんたには関係ないでしょ」
妹が僕を睨んだ。でもその声は呂律が回っていなかった。
「近所迷惑だろ。何時だと思ってるんだよ」
「うっさいなあ。あたしのそばに来ないでよ」
妹は明らかに泥酔しているようだった。
「とにかくシャワー浴びて寝ちゃえよ。ガキの癖に酒なんか飲むからこんなことするんだ
ろうが」
僕は本当にイラついていた。明日は早起きしてナオに告白しなければいけないのに。何
でこういう日にこいつはこんなトラブルを持ち込むのだろう。
「ガキって何よ、ガキって」
妹はふらつきながら再び僕を睨んだ。
「とにかくシャワー浴びて寝ろ。今ならまだ母さんたちにばれないから」
こういうことは前からたまにだけどあったけど、ここまで酷いのは初めてだった。僕は
妹との間にトラブルを起こすのが嫌だったから、こいつが飲酒していることはこれまで両
親には黙っていた。
それでも今夜のこれは酷すぎる。ここまで来ると黙っている僕さえも同罪かもしれない。
僕は一瞬両親にこのことを話そうかと思ったけど、すぐにその考えは脳裏から失われた。
今の僕はそれどころではない。中学生の妹の飲酒癖は早めに直した方がいいに決まって
いるけど、結局は妹の自己責任というか自業自得じゃないか。
僕は明日早起きして駅までナオに会い、彼女の告白に返事をしなければならない。こん
な深夜に妹の面倒をみている場合ではないのだ。
「どいてよ」
突然妹がそう言って僕の横をすり抜けリビングを出て行った。しばらくすると浴室の方
からシャワーの音がした。僕はほっとした。これで少しは妹も正気に戻るだろう。
僕は妹が脱ぎ散らかしたコートとかハンドバッグとかを拾い集めた。もうこんな時間だ
から両親は泊まりで仕事をしているのかもしれないけど、万一遅い時間に帰宅したときに
こんなリビングの様子を見られるわけにはいかない。
それは姑息な誤魔化しだったけど今の僕には他にいい手段は思いつかなかったのだ。
ソファを片付けているとその片すみにバーボンの小さいボトルが転がっているのが見え
た。粋がっている中高生の飲酒なんてせいぜいビールとか缶入りの梅酒とかだろうと思っ
ていたのだけど、それはアルコール度数40の強い酒だった。仮にこんなものをどこかで
飲んでいたとしたら妹が家に酔っ払って帰ってきたとしても不思議はない。
僕はため息をついてそのボトルに残っていた酒をキッチンのシンクに流して捨てた。
リビングがだいたい片付いた頃、リビングのドアが開いて全裸の妹が戻ってきた。
茶髪が濡れているところを見るとシャワーを浴びていたのは本当だったようだ。こいつ
はろくに髪も体も拭いていないのだろう、髪も体もびしょ濡れのままだ。
「お兄ちゃんの言うとおりにシャワー浴びたてきたよ」
さっきまで激怒していた妹が嫣然と僕に微笑みかけた。
「どう?」
「どうって何が・・・・・・つうか服着ろよ」
僕は妹の裸身から目を逸らした。何でこいつが突然僕にお兄ちゃんなんて話しかけるの
だろう。そもそも何でこいつは服を着ていないのだ。
「お兄ちゃん、ちゃんと見て。これでもあたしはガキなの?」
先入観から僕は妹の肌とかは穢れていて汚いという印象を持っていた。彼氏がいたり夜
遊びするような妹が清純な少女のはずはない。
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