22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/29(土) 11:57:41.41 ID:L4/wSLr5o
え……? プロデューサーさん、どこへ、行くんですか……?
プロデューサーさんの足が、立ち上がって、もっ、森久保の視界から外れてしまいます……。
立って、そのまま、机から、離れて……どこへ行くんですか、森久保は、ここにいるんですよ?
足音が、遠ざかります。まっすぐ、早歩きです。肌でべたつく汗が、一気に冷えます。
扉の開く音がして、そのまま、プロデューサーさんの気配が感じ取れなくなりました。
う、ウソですよね……森久保を、騙そうったって、そうはいかないんです。
きっと、森久保から見えない所に隠れて、待ち伏せしてるんです。
出て行った瞬間、飛んで火に入る夏の虫です。焼かれて焦がされてしまうんです。
で、でも、もしそうじゃなかったとしたら……?
これ以上、プロデューサーさんと一緒にいたら、森久保はこれ以上おかしくされてしまうんです。
何をされるかは想像もつきませんけど……どんなにおかしくされるかは、分かってしまうんです。
なのに、今、森久保は、おかしくされなかったらどうしよう、とか考えてしまったんです……。
前は、アイドルなんて辞めてしまおうと毎日思ってたのに。
プロデューサーさんが森久保から離れたら、アイドル辞めてしまえるのに。
こんな森久保をかまってくれて、ましてアイドルデビューさせようなんて世話焼き、
プロデューサーさんしかいないんだから……。
じゃあ、もうプロデューサーさんがここに居ない、としたら。
背中が、前のめりに傾きます。
手足が見えない糸に引っ張られて、変な動きしたから、机の荷物が何か落ちて床を叩きます。
森久保は床にへばりついて、主を失ったままの椅子に寄って、机から顔を出します。
「プロデューサー、さんっ」
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