11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/03(水) 00:37:42.51 ID:dm2TomSio
(それにしても、ほんと綺麗だな……)
舞園さんと向かい合い、目の前でじっくりとその姿を視認する。
くりっとした大きな目に、すっと鼻筋が通った端整な顔立ち。スカートから伸びるむちむちとした長い脚が魅せる、抜群のプロポーション。
腰まですーっと伸びている、キューティクルの整った艶のある美しい黒髪。その黒とは対照的に、透き通るように真っ白な肌。
全身から溢れ出る清楚な雰囲気は今も変わらず、芸能人特有のオーラは、最後に見た中学の卒業式の時よりも更に磨きが掛かっている。
それから仄かに漂う、今まで嗅いだ事もないような良い匂い。中学の時は分からなかったけど、舞園さんの側ってこんな甘い香りがするんだな……。
身長は公表されてるから分かってたけど、こうして向かい合うように立つと、やっぱり僕より背が高いんだと改めて実感する。
僕がほんの少し見上げる形になって、舞園さんがほんの少し見下ろす形になるんだ。妹のこまると同じくらいだろうか……。
そう言えばこの制服って、根黒高校のだよな。この制服姿は写真では見た事があるけど、こうして生で見るのはもちろん初めてだ。
ピンク色の大きなリボンが舞園さんによく似合ってて、とっても可愛い……。
「あの……」
「あっ……なな、何かな?」
再び声を掛けられて、僕は慌てて返事をした。
ど、どうしよう。流石にじっくり見すぎちゃったかな……? 失礼だったかもしれないと、少し不安になる。
でも、僕のその心配はただの杞憂で……だけど次に舞園さんの口から出た言葉は、また僕の目を大きく見開かせる物だった。
「……苗木君、ですよね?」
「……え?」
余りの出来事に、僕はぽかんと口を開ける。ま、舞園さん、今『苗木君』って言ったような……。
いや、聞き間違いなんかじゃない。舞園さんの口から出たのは、確かに僕の名前だった。でも、どうして僕の名前を知って……?
それきり反応を返さずにいると、舞園さんは更に問い掛けてくる。
「根黒六中の二組だった、苗木誠君……。そう、ですよね?」
「う、うん。そうだけど……」
「わあ……! やっぱりっ!」
ぎこちなくながらも僕が頷くと、舞園さんはぱあっと顔を輝かせてから、その場でぴょんぴょんと跳ね始めた。
す、すごく嬉しそうだ。こんな風に嬉々としてはしゃぐ姿、中学の時にだって見た事がない……。
……ところで、舞園さんは僕の在籍していた組、そして下の名前まで言い当てた。まさかとは思うけど、これってつまり――。
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