過去ログ - 苗木「彼女との再会」
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26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/04(木) 23:26:32.81 ID:WsBRUpo9o

サイン入りCDを机に置いて、僕達はまたダンボール箱の前に屈み込む。

「CDの下に卒業アルバムが入ってるはずだよ。この箱の中にあるのは、後は勉強に関する物くらいだね」
「なるほど……他には何を持ち込んだんですか?」
「えっと……漫画とかゲームとか、そういう物ばっかりなんだけど……」

他のダンボールも開封して、中にある漫画やゲームを舞園さんに見せてあげた。僕が持っている漫画やゲームソフトは、どれもランキングで一位になる物ばかりだったりする。
流行に流され易いというか……まあ、それだけ僕が凡庸な人間だって事だ。

「わあ、いっぱいありますね! 漫画やゲーム、好きなんですか?」
「うん。舞園さんはやっぱり、読んだ事とか遊んだ事はあんまりない……よね?」
「そうですね……漫画はともかく、ゲームはほとんどした事がないです。でも、最近のってすごいですよね。映像が本物みたいに綺麗だったり、自分の手の動きがゲームにもそのまま反映されたり……」
「昔とは随分違うよね。昔のは昔ので味があって、独特の面白さがあったけど……って、ごめん。こんなの言われても分からないよね……」
「ふふ、気にしなくてもいいのに。苗木君がゲームで遊んでる所、見てみたいです」
「え? ぼ、僕が遊んでる所なんて、見てもつまらないような……」
「つまらなくなんてないですよ? 私は苗木君が好きな事をしている所、見てみたいです。中学の時に見る事が出来たのは、学校生活だけですからね。これから一緒に寄宿舎で生活を送っていく訳ですし、そんな日常的な一面だって知りたいんです」
「そ、そっか」

まあ、僕だって舞園さんの事なら何でも知りたいしな……。アイドルのお仕事に関する事とか、休日の過ごし方とか、好きな物や苦手な物とか。
これまで知りようがなかった事を、色々と知っていきたい。

「ふふ、機会があったら隣で眺めさせて下さいね?」
「う、うん」

……思わず頷いちゃったけど、舞園さんに隣で眺められるってすごく緊張しそうだ。
ただでさえ、長らく隣にいると甘い香りに酔いしれそうになるのに……操作ミスを連発する自分の姿が、容易に想像出来てしまった。

「ダンボール、まだ一つ残ってますね。この中には何が?」
「あ、これは服だよ。家にあったのはほとんど持ってきたんだ」
「なるほど、服ですか。気になりますけど、服は流石に見ちゃう訳にはいきませんよね……」
「僕は、別に構わないけど……」

下着に関しては、一番下にあるから何とか見られずに済みそうだし。それに、変な服を持ってるって訳でもないしな。

「そうですか? んー……でも、やっぱり後の楽しみに取っておこうと思います。苗木君が実際に着ている所を見たいですから! 苗木君の私服姿、とっても楽しみです」
「ぼ、僕も舞園さんの私服姿、楽しみだな……」
「本当ですか? ご期待に添えられるといいんですけど。ふふっ、週末が待ち遠しいです」

舞園さんの私服姿を見る事が出来たのなんて、中学の時の修学旅行くらいだったんだよな。制服姿しか見れてなかった分、いつにも増して可愛く見えたなあ……。
これからは間近で色々な服装を見られる訳だし、寄宿舎生活様々だ。色々な舞園さんを、しっかりこの目に焼きつけないと。

「じゃあ、そろそろアルバムを見ましょうか? 持ち込んだ物、充分見せてもらえましたし」
「そうだね。そうしよっか」

ダンボール箱からアルバムを取り出し、それを片手に椅子に座り直す。アルバムを見るのも久し振りだな……最後に見たのは確か、入学通知が届いた日だったっけ。


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