過去ログ - 苗木「彼女との再会」
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35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/06(土) 00:03:00.52 ID:c4r4o16co

「写真、ちゃんと貼れてますか?」
「えっと……うん、大丈夫だよ」

添付ファイルを開くと、さっき撮った写真が画面いっぱいに表示された。……舞園さんと共有する、僕達だけが持つツーショット写真。

(後でこっそり待受にしよう……)

恥ずかしがってる自分を見る羽目になるのは何だけど、せっかく舞園さんと一緒に映ってるんだし。ただ、舞園さんに見られないようにしないとな……もちろん、他の皆にも。
メール自体はと言うと、タイトルには二つのハートマークに挟まれて『お友達記念』と、本文には絵文字つきで『苗木君もどうぞ』とそれぞれ記されてあった。
……舞園さん、メールも女の子らしくて可愛いな。せっかくの初メールだし、消えないように保護しておこう。

さて……メールをもらった訳だし、返信しておかないと。僕はタイトルに『ありがとう』と、本文に『写真、大切にするね』と書いて舞園さんに送った。
受信したメールを確認して、舞園さんは表情を綻ばせる。

「ごめんね、何か味気ない内容で……」
「ううん、とっても嬉しいです。苗木君からの初メール、大切に保護しておきますね!」
「うん。ありがとう、舞園さん」

その言葉に、自ずと顔には笑みが浮かぶ。舞園さんも同じ事を考えてくれた……その事に、たまらなく喜びを感じられた。

「っと、舞園さん、そろそろ食堂に行かない?」
「あ、そうしましょうか。もうお昼ですもんね」

番号とアドレスを交換した時点でもうお昼前だったんだけど、今はもう既に十二時を回っていた。
舞園さんと一緒の昼食……皆もいるから今みたいに二人きりって訳じゃないけど、それでも嬉しい事に何ら変わりはない。
一緒に椅子から立ち上がり、舞園さんは自分の持ち物を、僕はルームキーを手に取る。そうして部屋のドアに向かって、肩を並べて歩き出した。

「食堂のご飯、きっと美味しいんでしょうね。楽しみです」
「期待しちゃうよね。早く食べたいな……実は僕、さっきから結構お腹が減ってたんだ」
「私もです。苗木君程じゃないですけど、朝出発した時間はそれなりに早かったですから」
「何食べようかな……メニューも豊富そうだし、決めるの迷っちゃいそ――」



――ぐうぅぅぅぅ……。



「あっ……!?」

なんて会話を弾ませていると、突然それを遮るように、お腹の虫が情けなく響き渡った。僕は咄嗟にお腹を両手で抑える。な、なんてタイミングで……!
恥ずかしさに、たちまち頬がかーっと熱くなる。そんな僕を見て、舞園さんはくすくすと笑いを漏らした。

「お腹が空いてるの、本当みたいですね?」
「う、うん……」
「それじゃあ苗木君の為にも、早く行きましょうか。プリントとか、急いで部屋に置いてきますね!」
「あ、あはは……」

喋ってる途中でお腹が鳴るとか、何か漫画みたいにベタな展開だ……。なんてそう思いながら、僕は舞園さんと一緒に寄宿舎の廊下に出た。
自分の部屋へと入っていった舞園さんを、壁に背を預けて待つ。その短い間に、またお腹の虫が今度は短めに鳴った。

それから程なくして出てきた舞園さんと、話を交わしながら食堂に向かって一緒に歩いていく。……この分だと、食べるまでにまた何回か鳴りそうだ。


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