116: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 21:35:49.67 ID:rQSpFBW+o
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「御機嫌よう、お久しぶりね。えぇと、まどかちゃん?」
余裕綽々にマミは笑顔で問いかける。
まどかは何も答えずに深く淵を覗き込むような視線をマミに傾ける。
「あら怖い。そんな目で睨まないでほしいわ」
軽く笑い、銃口を突き付ける。
応じるように、弓を引き絞りピントを合わせる。
「あなたですか?」
小さく、消え入りそうに呟かれたその言葉は、だというのに圧倒的な質感を湛えてマミへと届く。
「何のことかしら? 主語がないとよくわからないわね」
どこ吹く風と煽るようにマミが問い返す。
ひどく攻撃的な苛立ちがまどかの中に募り、抑えきれずに表層へと押し出されていく。
彼女は自分がこんな感情を抱くことが出来る人間だなんて考えたこともなかった。
そう、まどかにとってそれは初めての感覚だった。
恨みつらみとも、不利益を被せられた悲しみとも、何もできない無力感とも違う。
理不尽や利己的な行動に対して反射的に渦巻く怒りとも違う。
明確で明瞭なハッキリと分かりやすい他人に対しての攻撃性。
冷徹な芯が声色に宿る。
「あなたがほむらちゃんをあんなに傷つけたんですか?」
「あぁ、彼女は強かったわよ。でも、私にその牙は届かなかったけれど」
決定的な一言をマミが告げる。
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