130:にゃーん ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 21:52:42.97 ID:rQSpFBW+o
>>50
「あれ? 誰か、戦っているのかしら。こっそり入って見学してみようかな」
半開きになっている鏡の扉をするりとすり抜けて内部へと侵入していく。
最深部にいたのは牛頭の姿をして巨大な斧(刃の中央部分に美しい玉石を湛えている)のような本体を振り回す魔女と、
赤毛をポニーテールにまとめ、ドレス風の衣装に身を包んだ槍を振るう少女だった。
赤毛の少女の名は佐倉杏子。
何時かの未来で暁美ほむらと共闘し、美樹さやかと深くかかわることになりえた存在だ。
「あれは、なかなか強力な魔法ね。でも、使いこなせて、ない?」
軽やかに飛び回りながら、魔女を追いつめていく佐倉杏子。その様子を眺めながら巴マミは考える。
赤毛の少女の体が揺らめき、消える。そして、そこから遠くない位置にふっと姿を現し、槍を振るう。
時には魔女の攻撃をかわすために身を眩ませ、時には距離を調節するために位置を誤認させ、
時には攻撃を確実に当てるためにタイミングをずらして防御の隙をつく。
マミの目を通して映る杏子の魔法はあまりに杜撰に思えた。
フワリ、と空間に魔力が浸透する。
直後俄かには信じがたいことに、赤毛の少女の姿が重なり、二つに増える。
「幻惑の魔法よね?」
遠巻きに眺めていたマミはその正体を看破した。
そして、同時に酷い初見殺しだ、とも思った。
そう、杜撰ではあるが初見殺しとしてはなかなかに有用だ、と。
斧の魔女が大きく揺らめき、杏子の体を両断する。
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