過去ログ - ほむら「向日葵と傷」
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132: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 21:55:38.08 ID:rQSpFBW+o


>>67

(ロッソ・ファンタズマ。やっぱり佐倉さんなのね……。大丈夫ちゃんと助けてあげる、から)

 魔女の巨体が動くよりも素早くマミの体が大きく後ろへと跳ぶ。
 対複数での近距離戦闘はよほどの力の差がなければ成り立たない。

 そして何よりマミは銃とリボンを中核に据えての中距離戦が最も得意であり最大の力を発揮できる戦闘領域だ。
 ザァッと、スカートの裾をはためかせ、その内側から銃を召喚し、地へと突き立てる。

「魔女さん、魔女さん。私と一緒に踊りましょう?」

 突き立てるように三匹の魔女に銃口を突き立て、引き金を引く。
 闘争者の本能。戦いの才能。彼女の中で噛み合ってはいけない歯車が噛み合いだす。
 ギシギシ、ギチギチと錆びついて眠っていたはずの狂暴な領域がゆっくりと油を得たように回りだしていく。

 足を使い、リボンを回し、空間を広く使って動き回る。
 無数の長銃を広範囲にばら撒き、どこへと動いても次の攻撃へと繋がるようにと配置していく。

 魔女の結界の中に自身の戦闘領域を構築する。
 戦いながら戦うための、勝つための、相手を殺すための陣を敷いていく。

 三体の魔女は動きも素早く力も強い。
 その上、槍捌きも見事なもので時折、鎖分胴のような使い魔を投げつけてきさえする。

 だが、マミは。巴マミの動きは徐々にその猛攻の全てを凌駕しはじめる。
 軋みを立てていた歯車にゆっくりと油がなじんでいく。
 戦って、殺して、生き残る。

 不利な状況で如何にして生き残る術を探るか。如何にして自分の有利な勝負の土俵に上げさせるか。

 逃げないためには何をしたらいいのか。
 脅威、危機、窮地。それを前に一歩踏みとどまって、前に出るために必要なもの。

 勇気、死ぬ覚悟。
 勇気、生き残るために必要なもの。

 一つづつ学んで、一歩づつ歩んだ。
 少女の足跡が、軌跡が、少女の本能を、才能を後押ししてしまう。

 それは、恐らく禁忌の領域。類い稀にみる猟奇の空想。

(佐倉さん、やっぱりあなたってとっても強かったのね。でも大丈夫、ちゃんと私が助けてあげられる、から)


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