16: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:46:18.60 ID:x2ueaAjJo
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正午過ぎ、太陽は空の中央に輝く。
照らし出されるのは二つの影と、一つの隠者。
屋上という狭く区切られた世界の中で、二つの影は対峙する。
紫と黄色、困惑と好奇。互いの立ち位置は未だ不明で、明け色の日差しは手札を欲しがる。
「自己紹介がまだだったわよね、私は暁美ほむら」
「ご丁寧にありがとうね。私は巴マミよ。それで、話って何かしら?」
「昨日のあれは、どういうつもりだったのかしら。説明をしてほしくて。
噂に聞く限りのあなたは冗談でもあんなことを仕出かすような人じゃないでしょう?」
「正義の魔法少女の噂話のこと? それなら、トンだ出鱈目よ」
「つまりあなたは正義の魔法少女なんかじゃない、と?」
「私は、私の正義に従ってはいるつもりよ?
ただ、それがほかの人にどう映るのか、そんなことまでは知った事ではないけれどね」
「つまり、他人から見たら後ろ暗いことをしている自覚はある。そういうこと?」
「どうなのかしらね。ただ、私は間違ったことはしていないわよ。それだけは自身に誓って自信があるわ」
対話は致命的に不透明で、決定的にピースが足りない。
澄まし顔と思案顔。どちらが優勢なのかは明らかだった。
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