26: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:59:23.45 ID:x2ueaAjJo
  
 「杏子が、一年以上も前に死んでいる?」 
  
 「その通りだ。 
 事情についてはマミが詳しいんじゃないかな。 
 僕の口からはあまり詳しいことは教えてあげられない。 
 もういないとしても、彼女もまた魔法少女だったことには変わりがないからね」 
  
 「そう、つまりは今の巴マミがああなった理由もそこにあるということね」 
  
 「知りたければマミに直接聞くといい。話してくれるかどうかは、微妙な線かもしれないけれどね」 
  
 「お世話様、最初からお前には期待していないわ」 
  
  目を伏せ、表情に仮面をかぶせた少女は、さっと踵を返してきた道を引き返す。 
  
 「これから巴マミのところに行ってみようと思うのだけれど、おまえも一緒に連れて行ってあげましょうか?」 
  
 「いいや、ボクは遠慮させてもらうよ。変わりはいくらでもあると言えども、無意味に潰されるのはもったいないからね」 
  
 「そう、賢明な判断ね。実にあなたたちらしいわ」 
  
 「ヤレヤレ、取ってつけたような言い回しをするのは止めてくれないかな。当てつけかい?」 
  
 「おまえにだけは言われたくないわ。この詐欺師」 
  
  表情を変えず、吐き捨てる。 
  
 「まるでボクたちに悪意があるみたいな言い方は止めてくれないかな」 
  
 「私たちにとってはどちらでも同じよ」 
  
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