27: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:00:57.77 ID:x2ueaAjJo
すみれ色の少女が風見野市を訪れてから、百六十八時間ほどが経過する。
件の少女は学校に併設されている市立図書館へと入り浸り時を過ごしていた。
目的は一年前の新聞のバックナンバーを探すこと。
理由はもちろん、佐倉杏子の顛末について。
白饅頭のような獣が口を閉ざしている現状では欲しい情報を手に入れるための手段は二つだ。
当人に直接訊ねるか、過去の記事を漁り、自分で調べるか。
前者を選ぶには相手があまりにもリスキー過ぎる。
話を聞きにいったが最後、問答無用の殺し合いに発展するだろうことは、火を見るよりも明らかだった。
仕方なしに地方紙のバックナンバーを漁ることを決断した藤色の魔法少女だったが、
めぼしい収穫が得られなかったことに落胆を隠せない。
少女が見つけられた情報は二つ。
佐倉杏子が十五か月ほど前に命を落としているのは確からしいということ、彼女の一家が破滅してしまったらしい、ということ。
佐倉杏子という少女の家族が壊れ、新興宗教の烙印を押されてからの栄転と凋落。
最終的には父、母、妹の三人での無理心中で、
住んでいた教会は焼け落ちて、佐倉杏子ただ一人が行方不明となる。
教会が焼け落ちてから三日後。風見野森林公園で、彼女は遺体で発見された。通報者は匿名で、
「人が倒れているの。息をしていないみたい」と語っていたそうだ。
遺体となった佐倉杏子の体には無数の凍傷が確認されてる。
警察は心身喪失の後、当てもなく彷徨い続けての衰弱死という線で決着をつけたようだった。
桔梗の花によく似た少女は考える。
佐倉杏子という魔法少女の境遇について。
いつかの世界で語っていた、本来の固有魔法は幻惑だと。
「ちょっと事情があってね、今じゃからっきしさ」と、口元を歪めた彼女を思い起こす。
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