過去ログ - ほむら「向日葵と傷」
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43: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:21:41.36 ID:x2ueaAjJo

 雪の世界の真下に、透き通った氷の世界が作られていた。
 黄朽葉色の少女は存在するかどうかも疑わしい重力に任せて落下する。

 幾本かのリボンを召喚し、操る。
 あちらこちら、そこらじゅうところ構わずに氷柱と氷筍が群居する世界。
 この世界の主要構成物のそれらに魔法のリボンを巻き付けて自身の体を支え、落下の速度を徐々に落とす。

 少女が地に足をつけるよりも先に、氷が砕けるような音が響きわたった。
 突然のことに蒲公英色の少女は驚き、慌ててリボンの結び先を確認した。

「びっくりしちゃった。でも、ということは、これで確定ね。本当、残念だわ」

 少女があたりを見回せば、少し遠くに魔女と魔法少女が戦っているのが確認できた。
 丁度、自身の背中側だったためにすぐに気がつかなかったわけだ。

 十数メートルもの距離を落下したはずの少女は、だけれど軽く、小さな音を立てて着地する。
 小さく体を沈ませてから、ゆっくりと立ち上がり、正面を見据える。

 その両手には既に二丁のライフル銃が握られていて、準備は万端とでも言いたげだ。
 ゆっくりと左腕を持ち上げる。

 緩慢なその動作は、だけれど隙のない剣呑さで銃口を突き付ける。
 二度の銃音が氷洞の中に残響した。



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