過去ログ - 櫻子「あかりちゃんが、泣いてた」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/11(木) 21:38:16.40 ID:5SZmKa2c0
きっかけは、なんだったっけ。


入学して、初めて教室で姿を見た時?

初めて向こうから話しかけてきてくれた時?

初めて一緒に遊んだ時?


思い出せないのに、なんでこんなに好きなんだろう。


―――放課後の教室で、あかりは窓の外を眺めながら小さく息をついた。

ホームルームが終わり、クラスメイトたちはそれぞれの目的に散っていく。

今日は用事があるからと、ちなつにごらく部に顔を出せない旨を伝え、私も早々に帰るはずだった。

向日葵と共に帰路につき、こちらを見つけてバイバイ! と手を振る櫻子に出会わなければ、あのまま用事も何もない家に帰れたかもしれない。

……膨れ上がる気持ちを抑えられないと判断し、教室に戻って、こうして泣いてしまっている。

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2014/12/11(木) 21:39:23.90 ID:5SZmKa2c0
あかり「櫻子ちゃん……」ぐすっ


初恋の相手に、櫻子を選んでしまった。

以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/11(木) 21:41:01.31 ID:5SZmKa2c0
あかり(あかりは、櫻子ちゃんが好き……)

あかり(でもこの気持ちは……櫻子ちゃんにも、向日葵ちゃんにも、誰にも知られちゃだめなんだ……)


以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/11(木) 21:41:39.61 ID:5SZmKa2c0
あかり「さ、櫻子ちゃん……なんで……!///」

櫻子「いやー教室に忘れものしちゃってさ〜…………あれ?」


以下略



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2014/12/11(木) 21:42:21.05 ID:5SZmKa2c0


あかり「はっ―――はぁっ――――」たったったっ


以下略



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2014/12/11(木) 21:44:57.02 ID:5SZmKa2c0
そこからほんの1分も経たないうちに、曲がり角から櫻子が走って現れた。ひどく息を切らしている。


櫻子「向日葵! あかりちゃん来なかった!?」ぜぇぜぇ

以下略



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2014/12/11(木) 21:45:43.16 ID:5SZmKa2c0


コンコン


以下略



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2014/12/11(木) 21:46:21.77 ID:5SZmKa2c0
しかし最近、ようやく手がかりを得た。

時折聞こえてくる悲しげな泣き声の中に、「櫻子ちゃん」という言葉が出てきたのを偶然聞いたのだ。


以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/11(木) 21:47:20.94 ID:5SZmKa2c0


部屋の明かりを全て消した中で、あかりはベッドに小さく体育座りをしていた。


以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/11(木) 21:48:17.57 ID:5SZmKa2c0
小さく身を縮めて、あかりはベッドに横たわった。


サイレントマナーにしてある携帯電話は、今なお明るい光を灯しながら、静かに櫻子からの着信を訴えている。

以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/11(木) 21:49:20.50 ID:5SZmKa2c0
櫻子(あかりちゃん……来るかな……)


翌日、櫻子は、あかりと会って話すためにいつもよりだいぶ早く学校に来た。

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/11(木) 21:50:34.98 ID:5SZmKa2c0
あかり「っ……!」だっ

櫻子「ちょっ! 待って! どうして逃げるの!?」


以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/11(木) 21:51:52.12 ID:5SZmKa2c0
あかりは息を整えながらも、俯いて顔を見せない。


手近にあった椅子にあかりを座らせ、冷え切ったその手を両手で包み、櫻子は優しく尋ねた。

以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/11(木) 21:52:44.14 ID:5SZmKa2c0
櫻子「うっ……嘘じゃん、泣いてるじゃん! 何にもないことないでしょ?」

あかり「なんにも、ないの……」

櫻子「なんにもなかったら、こんなに走って逃げないよ! 電話にも出てくれるでしょ!?」
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/11(木) 21:53:36.84 ID:5SZmKa2c0
問い詰める櫻子を、あかりは強く抱きしめた。

握られていた手はそのままに、櫻子の胸に飛び込んで、泣き声を漏らした。


以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/11(木) 21:54:08.10 ID:5SZmKa2c0
あかりが大泣きするところを見るのは初めてだった。

その涙を見ただけで、つられて櫻子も泣いてしまう。

どうしてあげればいいかわからない櫻子は、あかりの泣き声が止むまで一緒にいてあげることしかできなかった。
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/11(木) 21:54:52.81 ID:5SZmKa2c0


授業の合間ごとの休み時間も、櫻子はしつこくあかりの席にやってきた。

あかりの手を握り、瞳を見据え、時折質問しを繰り返した。その優しい声を必死に聞かないようにして、あかりはみんなの前で泣かないように頑張っていた。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/11(木) 21:56:09.15 ID:5SZmKa2c0
あかり「……櫻子ちゃん、もう……いいよ……」

櫻子「な、なに?」


以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/11(木) 21:57:02.25 ID:5SZmKa2c0
あかり「…………」


櫻子「なんで、何にも教えてくれないの? 私はどうすればいいの?」

以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/11(木) 21:57:39.49 ID:5SZmKa2c0
櫻子「…………わかった。私、あかりちゃんのことしばらく見ないようにするから」


櫻子「その代わり、あかりちゃんが直ったら、絶対私のところに来てね……!」

以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/11(木) 21:59:38.30 ID:5SZmKa2c0


あかり(早く帰ろう……ごらく部には、しばらく行けないや……)


以下略



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