3: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/13(土) 15:31:03.51 ID:d32EPYEGo
「駄目ね、本当に」
ふぅぅ、と長く長く息を吐きだして肺の中を空っぽにしてから目いっぱいまで空気を吸い込む。
少しだけ感情の波が静まる。手の震えも、ゆっくりと治まる。
時計を見直せば時刻は二十三分。
どう頑張っても遅刻だ。
溜息をついて制服を取り上げて、いったん戻す。
寝間着を着たままだという事実を思い出したからだった。
ゆっくりとパジャマを脱ぎ、捨てる。
小さめのブラを手に取り、紐に肩を通して背面のホックをカチッと合わせる。
アンダーシャツを身に着けてそれからブラウスを着こむ。
履きなれた黒のタイツに足先を通してゆっくりと伝線しないように太ももまで持ち上げる。
同じ動作をもう一度繰り返したのちに臀部まで引き上げる。
足を延ばしたままよく眺める、伝線はして無いようだった。
プリーツスカートを先に手に取って、足を通す。
履くときにいつも思うのだけれど、なんでこんなに丈が短く作られているのだろうか。
正直、下着が見えそうになって困る。なんて、どうでもいいことを考えながらジャケットに腕を通す。
あとは、リボンを結んで、出来上がりだ。
一限目が始まるのが九時二十五分だから、もうそれまでにつければいいや、という投げやりな気持ちで朝食を用意することにする。
と言っても、冷蔵庫のバナナとコーヒーを飲むだけなのだけれど。
そう思って冷蔵庫を開けてみればバナナのほかにハムとゆで卵が入っていた。
完全に忘れていたけれど、これは僥倖だ。そう思いつつも賞味期限を確認しておく。
大丈夫あと三日は持つわね。
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