4: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/13(土) 15:31:52.08 ID:d32EPYEGo
取りあえずお湯を沸かすべく、やかんに水を注ぎ火にかける。
湯が沸くまでの間に歯磨きを済ませてしまおう。そう思い立ち、歯ブラシに歯磨き粉をつけ口に突っ込む。
ブラッシングの軽快な音とコンロの火の音だけが狭い部屋に木霊する。
魔法で虫歯を治すのは難しい、そんなことを巴マミも佐倉杏子も言っていたような気がする。
私自身は病院暮らしが長いせいで歯の磨き方には自信があるし、事実虫歯になった事は無い。
だからよく分からなかったのだけれど、歯っていうものは一度削ってしまうと自己修復したりしないものらしい。骨が折れたりだとか爪が剥げたりだとかとは違うものなんだとか。
まぁ、どうでもいいか。
泡立った唾液を流しへと吐き出す。違和感もないし、もう良さそうだ。そう結論付け、水を口に含んで濯ぐ。
左右の頬を交互に動かして口の中で水を攪拌し、吐き出す。
もう一度含みなおして、今度は上を向いて喉を濯ぐようにガラガラと息を吐きだし、頃合を見計らって吐き出す。
鏡を見れば隈の酷い私が口を開いて立っていた。
慌てて目の下をマッサージしながら顔を洗う。
そうこうしているうちにやかんが甲高い音を立てて泣き始めた。
う、うるさい!
鼓膜が破れるようなその音を止めるべくキュウリと河童が印刷されたマグカップをもって近づく。
勿論、右手にはミトンを装備済みだ。
火を止め、やかんの取っ手を掴みマグカップへと湯を注ぐ。
そのままテーブルに持っていきお気に入りのインスタントコーヒーの粉をスプーンですくって湯へと落とす。
たっぷり三回半かき混ぜてから、冷凍庫の扉を開いて小さな氷を三つほど掴んで、コーヒーへと戻り、入れる。
「よし、これで飲み干せるわ」
流石に熱いコーヒーを楽しめるほどの時間的余裕はないのだ。
「いただきます」
手を合わせて、皿に乗せたバナナとハムとゆで卵に手を伸ばす。
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