18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/14(日) 00:55:10.47 ID:QcmbvjXlo
京太郎「でも……それ以上に彼女のことは大切なんでしょう?」
店長「まあな」
店長「あいつは自分を必要としてくれて、救われたと言っていたが」
店長「救われたのは――私の方なんだ」
店長「どうにもならないはずだった。捨てるしかないはずだ」
店長「でも――あいつが、モモがいてくれたから」
店長「私はたった一つの望みを諦めなくて済んだ」
欲望を抜きにした願望
人は誰しも一つは持っているものである
懐かしむような彼女のそれは何だったのだろうか
それは大抵に於いて、袋小路の現状を
どうにかして前に進めようとする意味合いを持っているものだが
救われたと言った。だとすればその願いはきっと
彼女が生きてきた中でとても大切なもののはずである
京太郎「(互いが、互いにとっての救い、か)」
温くなったコーヒーを一気に飲み干す
共依存関係のような二人
人間は決して不滅でもなければ不変ですらない
だから寄り掛かる存在としては不適格だ
土台が歪み、柱が撓み、梁は崩れ落ちる
そんな家に進んで住みたいと思う人間はいない
だが、それでも、それを含めてなお二人の人生なのだ
良かれと信じ、安らかにあれと願って善とする選択
そこに模範解答はなく、ただあるのは現実だけ
そして現実に対処していくのは、結局のところ選択者なのだから
京太郎には何を言うつもりもなく
事実かける言葉も持ち合わせていなかった
115Res/62.49 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。