過去ログ - 佐久間まゆ「まがいもの」
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101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:55:43.05 ID:DL0z8tZuo
 休み明けのその日から、忍ちゃんとはギクシャクしてしまっている。
 表面上は仲良くできているはずだけれど、お互いに少しピリピリしていて、学校に居る間はなんとなく憂鬱だ。

 あれ以来、プロデューサーさんの話はしないけれど、お互いに牽制し合っているような気がした。
 プロデューサーさんのことが好きなのかと、忍ちゃんに聞くタイミングは、時間の下流の方へ流されて行った。

 時折、問題の核心たるプロデューサーさんが心配して、それとなく声をかけてくれることがあった。
 きっと忍ちゃんに相談でもされたんだろう。

「他の子との話、楽しいですか」

 そう言うと、プロデューサーさんは驚いた顔をするので、それきり私は口をつぐんだ。
 恋がじくじくと膿んでいた。けれど、彼が私だけを気にかけてくれたと感じたときは、
 私の胸はこの上なく温かで、優しい気持ちになれた。

 恋は不思議だ。微かなことで揺れ動くのに、無限を夢見ているから。


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