1:名無しNIPPER[sage saga]
2014/12/21(日) 21:21:30.41 ID:uvLHgNzk0
雪ね––––。
と、久は呟いた。
私は、何を当たり前の事を言っているんだ、と返した。普段は饒舌過ぎるくらいの久が、珍しく黙りこくったので、何事かと思えば––––。
ゆみ「長野なんだから珍しくも何ともないだろ」
と、私が言うと、久は少し考え込んでから、
久「ゆみって本当に理屈っぽいわね––––」
と、返してきた。
そして、また暫くすると久は何が可笑しいのか、ころころと笑い始めた。何も可笑しい事は云っていない筈なのに、何だかとても恥ずかしくなってきた。揶揄われてるのだろうか。
ゆみ「何だか少し変だぞ……」
久「あら?ゆみちん、怒っているの?」
ゆみ「はぁ……別に怒ってなんか––––」
やはり。
何時もの彼女だ––––。
雪がはらはらと降る。
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2014/12/21(日) 21:24:56.29 ID:uvLHgNzk0
小雨より尚、少ないと謂った処だろうか。気にならない程ではないが、傘をさす程でもない。いずれも本降りになるには、まだまだ時間がかかるだろう。
帰りの駅までは––––。
と、考えた処で––––やはり私は少々理屈っぽいのかな、と先ほどの久の言葉が頭を過った。
3:名無しNIPPER[sage saga]
2014/12/21(日) 21:27:24.88 ID:uvLHgNzk0
うわぁ、やばい。
もう、何を話して良いのか、全然判らないわ。
夏の合宿ではあんなに二人きりで話せたのに、あの後、ゆみのことを意識するようになってからか、どうも二人っきりだと気まずくなる。結局、頭を精一杯からから廻して、やっと出て来た言葉が、
4:名無しNIPPER[sage saga]
2014/12/21(日) 21:28:00.92 ID:uvLHgNzk0
と、考えた時。
何だか無性に寒くなった。
久「ゆみちん」
5:名無しNIPPER
2014/12/21(日) 21:28:49.88 ID:uvLHgNzk0
口ごもるゆみもなかなかレアね。
久「わはは……」
ゆみ「蒲原の真似か––––」
6:名無しNIPPER[sage saga]
2014/12/21(日) 21:29:39.63 ID:uvLHgNzk0
ゆみ「こら」
久「ぷっ……何、それ?」
ゆみ「わ、笑うな。蒲原が怒った顔なんて、三年一緒だった私でも見たことが無いのだぞ」
7:名無しNIPPER[sage saga]
2014/12/21(日) 21:30:45.40 ID:uvLHgNzk0
ゆみ「いや––––久じゃ……その、イメージが違うと言うか、久も可愛いけど別の系統って言うか––––」
おっ、可愛いか。
私は心の中で小さくピースした。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2014/12/21(日) 21:31:29.56 ID:uvLHgNzk0
もうすぐ。
この時が終わるなら––––。
ゆみ「い、いきなり抱きつくな……」
9:名無しNIPPER[sage]
2014/12/21(日) 21:39:54.07 ID:ByZDvFyd0
おつです
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