過去ログ - 京太郎「リア充は」ハギヨシ「爆発しろ」
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137: ◆6ardW1rCAXVJ[saga]
2015/04/11(土) 23:06:34.11 ID:U+fY6r/Co
突然体が傾く。傾く直前の感触からすると、どうやら凍った地面に足を滑らせてしまったようだ。
話をするのに夢中で足元を見ていなかった。
せめて手を出して頭を打たないようにしないと――

「お嬢様!!」

ほとんど出したことのない大声を上げて、私の大好きな人が助けてくれた。
滅多に見せない焦った顔をしている。不謹慎だけれど嬉しい。
私を抱く手が暖かい。思わず口に出してしまうと、気づいたハギヨシが離れようとした。
それは嫌だった。熱に浮かされた頭のまま、逃げようとするハギヨシの左腕に、右腕を絡めて捕まえる。

「……お嬢様?」

ハギヨシの声で頭が覚める。顔から火が出てしまいそう。
それでも今さらハギヨシの腕を離すことなんて出来ない。
私がハギヨシを意識していることを知られては、ハギヨシが私のそばに居てくれなくなるかもしれないから。
何でもないかのように振る舞って、ただ足を滑らせないためにしているのだと思わせなければ。

「なんですの?」

「お戯れはおやめください」

「戯れではありませんわ。また今のように足を滑らせては危ないじゃありませんの」

「……それでしたら、手を繋いでいればそれで十分です。何も腕を組まずとも……」

「ハギヨシから貰ったマフラーと手袋で暖まりましたが、それでもまだ少し寒いですわ。こうしていれば少しは寒さをしのげるから、腕を組んでいるのです」

口から言い訳が次々と出てくる。
我ながらどれだけハギヨシと離れたくないのかと、他人事のように感心する。


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