49: ◆IWuyJvzLOZKF[saga]
2015/01/25(日) 09:48:32.12 ID:D6PZ2FqV0
「……るな」
『何か言ったか?』
「ふざけるなって言ったんだよ、このストーカー野郎っ!!」
しかし男があまりにも的確に自分のことを理解しているからこそ、上条が男の言葉に素直に従うことはなかった。
「どこまで調べてんのか知らねえが、人のことを知った風な口利きやがって! そもそもテメェが本当のことを言ってるって証拠だって何一つないんだ! 得体の知れない奴の言うことに、はいそうですかって頷くとでも思ってんのか!?」
過去に人間関係で凄惨な経験をしているとはいえ、上条は人間嫌いでもないし人間不信に陥ってもいない。
だが他人が言うことを全て真に受け、人の善性を疑わぬほど盲目的なお人好しという訳でもなかった。
本当に相手が信用に足る人物なのかどうか?
もちろん完全とまではいかないが、最低限の人を見る目はあるつもりだ。
男は上条の身を心配するようなことを口にしつつも、その一方で危機的状況にあるかもしれない女の子を放っておけと平気で言う。
別に上条に美琴を助ける義務がある訳ではない。
男の言う通り、上条では何の力にもなれないのかもしれない。
ただ自分のことをやたらと念入りに調べ上げている正体不明の相手を信用できるかと聞かれた時、上条の答えはNOに決まっている。
美琴が本当に無事に帰ってくる確信も何もないまま、男の言葉に従ってこのまま引き下がるなどできる筈がなかった。
『ならどうする? 君自身に命の危険が及ぶかもしれないようなゲームに参加すると言うのか?』
「そのゲームってヤツの真相も含めて、俺は自分の目で確かめる。 だから本当に御坂の居場所を知ってるなら教えてくれ」
『……やはりこうなるか』
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