過去ログ - 結衣「この交差点の向こうに君がいるとしたら」
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40: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 17:17:22.80 ID:PThDPvzU0
京子「……」

ちなつ「……」

結衣「……」
以下略



41: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 17:19:21.32 ID:PThDPvzU0
あかり「お待たせ〜」

京子「おおサンキュー」

あかり「はい、ちなつちゃん」
以下略



42: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 17:44:52.35 ID:PThDPvzU0
ちなつ「あ、私ちょっとトイレ」


ちなつちゃんが席を立つ。
扉を出て姿が見えなくなったとき、ちらっとちなつちゃんを追いかけようかと思った。
以下略



43: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 17:49:48.35 ID:PThDPvzU0
えっ?どういうこと?
驚いてあかりの方を見る。あかりはいつものニコニコした表情じゃなくて、真剣な目をしていた。


結衣「あかり……?」
以下略



44: ◆K27FRRVqmQ[sage]
2014/12/28(日) 17:51:26.83 ID:PThDPvzU0
京子が出て行って、部室に私とあかりの二人だけになってから、あかりに尋ねた。


結衣「あかり、さっきの……」

以下略



45: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 17:52:06.98 ID:PThDPvzU0
あかり「……結衣ちゃんらしくないよ」


あかりはまだ真剣な目をしていた。

以下略



46: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 18:01:50.47 ID:PThDPvzU0
あかりに気おされて、何も言えなくなった。
要するに、あかりは普段の私なら京子が出て行った理由も分かる、と言いたいのだろう。
でも、そんなわけないじゃないか。私と京子は長い付き合いだけれど、何でも分かるだなんてことはないし、
同じだけ長い付き合いのあかりが今目の前で言っていることの真意だって分からないのだから。
考えがまとまらないまま、あかりをちらりと見る。
以下略



47: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 18:02:38.45 ID:PThDPvzU0
結衣「当たり前だろ」


そうは言ったけれど、ちなつちゃんの気持ちは私には分かっていない。
一昨日、逃げるように帰っていってしまったことも、昨日連絡をくれなかったことも、
以下略



48: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 18:04:10.36 ID:PThDPvzU0
あかり「あっ、ちなつちゃん、戻ってきたみたい」

結衣「あかり」

あかり「ん?」
以下略



49: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 19:27:57.38 ID:PThDPvzU0
ごらく部からの帰り道は、家の方向が同じだからどうしたって京子と一緒になる。
ちなつちゃんを追いかけて行ってからの京子は、全然はしゃいでいないというか、
ずっと目の奥の方が真剣で、はた目から見たら怒ってるような、そんな感じだ。


以下略



50: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 19:28:53.98 ID:PThDPvzU0
結衣「さっきの」

京子「さっきの?」

結衣「さっき、京子があかりに言われてたこと」
以下略



51: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 19:31:21.45 ID:PThDPvzU0
その言葉を聞いた瞬間、何故かカッと頭に血が上った。
最近では全然感じていなかった衝動。


結衣「京子!」
以下略



52: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 19:34:07.08 ID:PThDPvzU0
そこまで一気に口に出して、ようやく気付かされた。
私、何も分かっていない。
ちなつちゃんと付き合い始めてからだ。自分のことも人のことも、何一つ見えていなかったってことに
無意識では気づいていたのかもしれないけれど、ようやくはっきりと理解できた。
あかりがあんなことを言うのも、今の私を見てたら当然かもしれない。
以下略



53: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 19:36:53.34 ID:PThDPvzU0
京子「私は、結衣も結衣のしたいようにしてほしいし、ちなつちゃんにもそう言った」

京子「あかりが言ったのはそのまんまの意味だよ」

結衣「なんでわざわざそんなことを?」
以下略



54: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 19:37:35.56 ID:PThDPvzU0
そう言い終わって、京子は私に背を向けた。肩が震えている。


京子「結衣も、自分勝手に生きろよ」

以下略



55: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 19:39:38.80 ID:PThDPvzU0
その日は布団に入っても全然眠れそうになかった。
京子が私のことを好きだと言ったこと。
あかりにちなつちゃんの気持ちを分かっているのかと聞かれたこと。
それが頭の中をぐるぐる回って、どうすればいいのか全然結論が出そうにない。
「今の結衣ちゃんに、一番大切な人って誰?」と言うあかりの声。
以下略



56: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 19:42:19.40 ID:PThDPvzU0
ぎゅっと目を閉じて、もう一度開く。天窓から半分欠けた月が見えた。
そういうことなんだよな。
きっと私は、恋に恋をしていたんだ。
恋をするには子供過ぎたから。
周りの人たちのことも、ちなつちゃんのことさえも目に入らずに、
以下略



57: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 19:44:22.57 ID:PThDPvzU0
もしかしたら、この1週間は子供な私とちなつちゃんが大人になるためにあったのかもしれない。
明日でちょうど1週間になる。忘れていたけれど、この恋は1週間の期限付きだったことを思い出した。
1週間経って私が出すべき結論は、ひとつしかない。
言いづらくても、言うしかない。
私のためにも、ちなつちゃんのためにも、京子やあかりのためにも。
以下略



58: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 19:47:54.00 ID:PThDPvzU0
朝、いつもの時間に目覚ましが鳴った。
顔を洗い、朝食を作り、制服に着替える。
普段と全く変わらないペースで支度をしていたはずなのに、家を出る時間は10分も早かった。
はやる気持ちを落ち着けながら、学校への道を歩く。
急いだって学校に来ているかどうかも分からないのに、どうしても早歩きになってしまう。
以下略



59: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/12/28(日) 19:48:37.69 ID:PThDPvzU0
遠くにぼんやりと人影が見えた。
ちなつちゃん?
駆け足でその人影に追いつこうとする。
だんだんはっきりと見えてきたその人は、まぎれもなくちなつちゃんだった。
ちょうど交差点にさしかかる手前で、信号が赤に変わる。
以下略



60: ◆K27FRRVqmQ[sage]
2014/12/28(日) 19:49:03.76 ID:PThDPvzU0
ちなつ「この交差点の向こうに君がいるとしたら」
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京子「この交差点の向こうに君がいるとしたら」
以下略



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