過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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106:名無しNIPPER[saga]
2014/12/31(水) 22:04:54.26 ID:gIGEqEoto

―――床が、冷たい。

体温の低下によって、俺の意識は、眠りの底から、現実へと引き戻された。
えーっと……俺は、今、どういう状況に置かれているんだっけ? 一瞬、考えがまとまらず、混乱するが、程なくして、俺は自分が、突然現れた落とし穴に飲み込まれたのだということを思い出した。
俺が寝そべっていたのは、赤色の壁に四方を囲まれた、通路の真ん中だった。
恐らくタルタロスの内部なのだろう。しかし、今までのフロアと違い、内装に、北高を髣髴とさせるような点が見当たらないのが気になった。
一体俺はどこまで落ちてきてしまったのだろうか。
体を起こし、辺りを見回すと、少し離れた場所に、零時計が転がっていた。とりあえず、紛失物はないようだ。不幸中の幸いと言うべきだろうか。

「……山岸さーん?」

だめもとで、虚空に向かって、かわいらしいナビゲーターの名前を呼んでみる。しかし、当然返答はない。―――なんとなく、この見るからに特殊な空間は、そういったものが通用しないんだろうなとは思っていたさ。

立ち上がった俺は、ぼーっとしている気にもならず、シャドウの気配に注意しながら、通路を進む事にした。これまでのフロア以上に冷たい空気が、保温性の低いブレザー越しに、肌を甚振る。
まったく、妹が見つかったと思ったら、今度は俺が行方不明か。つくづく、安心することを許されない血筋なのか、俺たちは。

とにかく、この不可解なエリアを抜け出し、なんとかして、山岸さんと連絡の取れる区域を目指さなければ。
と、丁字路に差し掛かり、俺がどちらへ進んだものかと、首をひねった時だった。

しゅるしゅる。

……あまり耳に覚えのない、だというのに、何故か不吉な印象を齎す音が、俺の背後から聞こえた。
嫌な予感がする。振り返ってはいけない気がする。
―――このまままっすぐ走って逃げようか。いや、追いつかれてしまうのがオチか。

時間が経つのがやけにゆっくりに感じる。恐る恐る、俺は背後を振り返った。

そこにいたのは―――蛇だった。
二体の巨大な白い蛇が、空中でおどろおどろしく絡み合い、俺の背後の空間を、浮遊していたのだ。


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