過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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110:名無しNIPPER[saga]
2014/12/31(水) 22:12:05.39 ID:gIGEqEoto

「ようこそ、ベルベットルームへ」

今しがた、少女の口から発せられたのと同じ言葉が、俺の耳に届く。
彼女の声とは違う。皺がれた、老人のような声だ。
早鐘を打つ心臓に抗うようにして、ゆっくりと瞼を開く。

先ほどまでの真紅の光景と相反するかのような、あらゆる面を濃い青色で染められた部屋だった。規則的に並べられた窓。壁の本棚。なにやら、食器類のおかれた小さな机。窓際に一人佇む、無人の椅子。
インディゴブルーのオブジェと化しているため判りにくいが、その一つ一つの形状には見覚えがあった。

「部室……」

思わず、その言葉が口を突いて出る。
そこは、青に侵食された、SOS団の部室だった。俺はその部屋の中央、団長席の向かいに置かれた椅子に腰をかけている。
そして、俺の目の前。団長席に腰をかけて、俺を見つめている、どこか奇妙な風貌の老人。

「おや、お気づきに為られましたか。失礼、私どもも、お客人にとって神聖なる場所を踏み荒らすような真似はしたくありませんでしたが」

虫眼鏡のような瞳で俺を見つめながら、老人がいやらしく笑う。どこか不気味で、悪魔的で、しかし、何かしら頼もしさを感じさせるような、奇妙な男だった。

「何しろこの度のこの異界は、特別不安定な時空上に存在しております。我々が留まれるほど安定した空間を探したところ、こちらのお部屋しか見つからなかったのです。
 おそらく、この影時間を作り出している力の持ち主が、とても不安定な精神の持ち主であるからなのでしょう」

男はひとしきり喋った後

「これは申し送れました。私はこのベルベットルームの主、イゴールと申します。そして彼女は」

「エリザベスとお呼びください」

声に振り向くと、男の腰をかけたデスクの横に、先刻のプラチナ・ガールが立ち、俺に向けて、例の笑顔を浮かべていた。


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