過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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216:名無しNIPPER[saga]
2015/01/01(木) 21:03:02.06 ID:t8V4LTxho
そこまで話し、ハルヒは両手を腰ほどの高さに上げ、手のひらを上へと向けた。

「すべてのシャドウが倒された今、私は、深層・モナドと一つになった。キョン、あんたたちの手助けのおかげで、予定よりずっと早くにね。それと、そっちの……あなたたちのことは、いまいち知らないけど。何にしろ、助かったわ。ありがとう」

ハルヒが、アイギスたちの顔を見回した後、微笑む。悪意のかけらも感じない、純朴な微笑が、逆に気味悪く感じられる。

「もう……全てを、知った、というのですか、あなたは」

古泉が掠れた声で呟くと、ハルヒは視線をそちらへと向けて、微笑みを浮かべたまま、

「私の力も、古泉君や有希が何もなのかも、全部分かったわ。そりゃ、びっくりしたわよ。それなりに。でも、私はそれよりも、自分の力の全てを手に入れたかった。そうすれば……或いは、全てを、『なかった事』にだって、できるかもしれないじゃない」

ふ、と。ハルヒの浮かべている笑顔の性質が、僅かに変わった気がした。―――何もかもを、なかった事に。それが、ハルヒの求めている世界の形なのだろうか。何かを悼むような視線を、空中に泳がせるハルヒ。

「有希は……有希には、何をしたの!」

俺の左後ろで、朝倉が吼える。体から青い光を滲み出させながら、今にもハルヒに掴みかかりそうな剣幕だ。しかし、それをしないのは、深層心理で分かっているからだろう。ハルヒは、俺たちが容易く勝てるような相手じゃない。

「さあ、私は知らないわ。ただ、あいつがね。有希は厄介だから、手を打つとは言ってたわ。何をしたのかは知らないけど、私も、有希が味方になるのは嬉しかったし。ま……あんたたちに、やられちゃったみたいだけど」

「違う、有希を傷つけたのは、あなたよ!」

朝倉が、刃のような言葉を投げつける。それを受け、ハルヒは、呆れた様に溜息をつき、

「安心しなさいよ。もうすぐ、こんな世界、なかった事にしてあげるから。今度はね、もっとまともな世界に書き換えてやるわ。古泉君も、みくるちゃんも、有希も、出鱈目な存在じゃない世界。
 ……おかしいわね。あんなにも欲しがってた、不思議な事すべてが、こうして手に入れてみると、いらなくなっちゃったんだから」

ハルヒの言っていることは、本当なのか?
俺は、薄ら笑いを浮かべる、ハルヒの顔を見つめながら、つい先刻、長門が、俺たちに残した言葉を思い出す。


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