過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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22:名無しNIPPER[saga]
2014/12/31(水) 18:27:52.42 ID:gIGEqEoto

べと、べと。

更に、追い打ちをかけるように、もう二つ、やはり奇妙な音。それと同時に、教室の壁に、僅かな震動が走った。
見たくない。が、見ないわけにも行かない。
俺はゆっくりと、背を向けていた、廊下側の壁を振り返った。
……そこにいきなり誰かがいるんじゃないかと思っていた俺は、誰もいない室内を見回して、ひとまず息をついた。
が、安らぐ間もなく。俺は目の前の光景の中に、ひとつ、気になる点を見つける。

教室の前部と後部に取り付けられた、廊下へとつながる、曇りガラスの小窓がついた、スライド式のドア。
そのうち、前部に位置するほうのドアの小窓に、外側から泥団子をぶつけられたかのような、いくつかの黒い跡があった。
さっきの音の原因は、これだろうか―――よく観察してみようと、及び腰ながら、ドアに近づいた瞬間。

びたびたびたびた。

「うわっ!?」

ドアが震え、雨が降るような音とともに、小窓一面を、黒い『手形』が埋め尽くした。
廊下から室内に向かって、『何か』が押し寄せて来る……ドアがミシミシと音を立て、今にも弾け飛びそうに歪む。

―――ヤバイ。これは、ヤバイ―――!!

何かがいる、どころの騒ぎじゃない。
俺は泣きそうになりながら、ドアから遠ざかり―――逃げ道が、後部のドアしかないことに気づき、絶望する。
たった今、ドア越しに対峙している、この『何か』がいる廊下に、自分から出ていけと?

「ああっ、クソっ!」

もはやドアが決壊するのは時間の問題だ。
考えている暇はない。俺は教室後部のドアに向かって駆け、剥ぎ取るようにそれを開いた。


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