過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/01/01(木) 21:08:00.98 ID:t8V4LTxho
そのペルソナが、仰々しく両腕を振りかざすと、あたりの空間に、風が吹き始めた。初めは僅かな風だったが、それはすぐに、真空の刃を伴う、ハルヒの体を中心とした旋風となり、俺たちの体を一度に襲った。
『か、風です! えと、吹き飛ばされないようにしてください!』
「ラウレッタ!」
叫んだのは、妹だった。現れた桃色の両腕が、俺たちとハルヒとの間に、薄い光の障壁が発生する。吹き荒れる風が、障壁によって阻まれ、押し返される。真空の刃が、乱れ舞うように、あたりの空気を切り刻んでゆく。
「召喚シークエンス、ノルン」
アイギスがペルソナカードを放ち、黄金色の女神の姿をしたペルソナを伴いながら、吹き荒れる風の中に突攻する。風を吸収しながら、ハルヒと、そのペルソナへと接近するアイギス。お互いのペルソナが、射程距離に入ったあたりで、アイギスは更に新たなペルソナカードを放った。
「ペルソナチェンジ、『アテナ』」
現れる、巨大な盾を手にした、戦乙女の如き姿のペルソナ。アイギスは、前進する体を止めないまま、ペルソナの持つ盾を前方へと突き出し、そのまま、ハルヒに突撃した。
「ヴィシュヌ!」
ハルヒが再び、そのペルソナの名前を呼ぶと、あたりに吹き荒れる旋風の風力が僅かに緩み、青鬼のペルソナの右腕が光を帯び始め、次の瞬間、その手の中に、巨大な斧のような武器を作り出された。
それが、ハルヒのペルソナの両腕によって、天高く振り上げられ、迫り来る、アイギスのペルソナの大盾に向け、振り下ろされる。ガァン。と、重く、それでいてよく通る、奇妙な音がした。
「く……」
声を漏らしたのは、アイギスだ。その身を覆うペルソナの大盾が―――ハルヒの放った攻撃によって、破壊されたのだ。そして、盾をかち割った光の斧は、今、アイギスのペルソナの体表へと、その刃を食入らせている。
「アイギス!」
岳羽さんがその名叫び、妹の張った障壁から飛び出す。その体を、吹き荒れる旋風が襲うが、風の刃によるダメージを受けている様子はない。しかし、圧倒的な風力が、彼女の体を転倒させた。
それを見たハルヒのペルソナが、アイギスのペルソナに食い込んだ斧を引き抜き、倒れた岳羽さんに向かって、手の中の斧を投擲した。
旋風の中を、真っ直ぐに突き進む、ハルヒの斧。
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