過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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名無しNIPPER
[saga]
2014/12/31(水) 18:30:27.27 ID:gIGEqEoto
「……冗談だろ?」
思わず、そんな言葉が口を突いて出た。
俺の視線の先には、壁。
掲示板を一枚打ち付けられた、塗装のところどころ剥げたコンクリートの壁が、階段の先を封じているのだ。
え、これ、どういう事?
道を間違えたのか? いや、あの教室を出てから、この階段に至るまで、俺は一切、進路を選択していない。すべて、道が続くままに駆けてきた結果が、これだ。
俺がたどってきた逃走経路は、実はえらく長い袋小路でしたー。
全く笑えない冗談だ。
「おい……おいおいおいおい!」
思わず声を上げながら、残り僅かな階段を駆け上り、行く手を塞ぐ壁に両手を叩きつける。
みし。と、掲示板が音を立てたが、壁そのものにダメージなどあるはずもない。防御力満点の、いいコンクリートだった。壁ドンするなら、こんな壁が理想だ。
化物の気配と、階段を這い上がる音が、徐々に近づいてくる。全身から、血の気が引く。
「そっ、そうだ、時間―――」
まだだ。まだロスタイムがある。
いや、むしろあっては困るのか。俺は右手の時計の文字盤に目を走らせ……何度目か、固まる。
時計が止まっていないのだ。
長針は、ゼロをわずかに追い越した位置を示しており、秒針は依然、コチコチと時を刻み続けている。
―――零時が、終わっていない。
馬鹿な。昨日だって一昨日だって、この零時の世界には、終わりがあったはずだ。
その時を示すのが、この時計だった―――そのはずじゃないのか。
昨晩までと、今、この状況の違いを考える。……思い当たる節といえば、ひとつしかない。
そう。俺は、捕われてしまったのだ。零時の世界の中の、この異界化した学校に。
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