過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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46:名無しNIPPER[saga]
2014/12/31(水) 19:50:10.55 ID:gIGEqEoto
沈黙が、数秒間、視聴覚室内を支配した。
やがて、こちらが攻撃を仕掛けられないのを察知したのか、女が、口の端を歪めながら、地に着けていた両手を持ち上げる。
これはヤバイ。ヤバイやつだ。
女の手が、俺たちに向けて差し出される……すると、あたりの空気が、一層冷たくなった。女の周辺の空間に、透明な、握りこぶしほどの物体―――察するに、氷の礫だ―――が現れる。
鋭い切っ先を持った矢のようなそれらが、一度に俺たちを指した。

「に、逃げっ……」

戦略的撤退。
しかし、決断はわずかに遅く、女の作り出した氷の矢が、俺たちに向けて放たれる―――ぐ。と、来るであろう痛みを想像し、思わず目を閉じようとした。

その、瞬間だった。

女が放った冷たい矢が、突如、空中で砕け散ったのだ。
俺は一瞬、状況を理解できず、呆然とする……が、程なくして、背後から発せられた声を聴き、何が起きたのかを察した。


「―――『ウェルギリウス』!」


叫んだのは―――古泉だ。
声と同時に、俺の背後から、女の座り込むスクリーン前に向かって、これまた、矢のような形状の、赤い光が迸った。同時に、目の前の女が、体を小さく震わせる。
俺が肩ごしに視線を向けると、古泉は―――青い光に身を包み、その傍らに、薄緑色の衣を纏い、同じく緑色の肌をした、人型のビジョンを携えていた。
目と目が合うと、古泉はわずかに微笑み、

「なんとか間に合ったようですね。これでようやく、借りを返せそうだ」

そう言って、両手を胸の前にやり、目を閉じた。
するとどうだろう。古泉の手と手の中の三十センチほどの空間に、バスケットボールほどの赤い光の珠が発生したではないか。
それを確認するように、古泉は目を開け、手の中の光を見つめると、光をまとった両手を前方へと突き出した。


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