過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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名無しNIPPER
[saga]
2014/12/31(水) 18:04:42.68 ID:gIGEqEoto
……トイレ行こう。
ベッドから腰を上げ、部屋を出る。ドアノブが、奇妙なほど冷たく感じた。
薄暗い中、階段をゆっくりと降り、すぐ正面のドアへ……
―――トイレのドアへと向けたはずの視線が、異様な何かによって遮られた。
初めは、何かの家具のようにも見えた。
先ほど見た夜の空のように黒く、人の背丈ほどの高さの物体。
生き物ではないらしい『それ』は、視覚的にさえ感じられる冷たさを纏い、トイレのドアのすぐ手前に立っていた。
垂直に立った柩。
表現するなら、そんな言葉がふさわしいだろうか。
そして、それの登場は、俺の思考の中に、ひとつの確信をもたらした。
この、冷え切った空気。
見たことのない色の空と、悪魔じみた月。
そして、謎の柩。
―――何かが起きているのだ。
おそらく、俺の想像の限りを越えるであろう、何らかの現象が。
「……誰か……いるのか?」
呟いたあとで、もし、この状況で、俺以外の誰かがこの場にいるとしたら、それはとてつもなく恐ろしい事ではないかと気づいた。
もしも、そんな第三者がいるとしたら……そいつが、俺に危害を加えない者でないという保証はない。
考え出した途端に、心臓が早鐘を打ち始める。いつのまにか、喉が渇ききってしまっていた。
……部屋に戻ろう。
漆黒の柩から逃げるように、降りかけの階段を、後ろ足に上り始めようとした、その時だった。
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