過去ログ - 男「あのな、俺ってば単純だから」 少女「そうですねぇ」
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6:名無しNIPPER[saga]
2015/01/01(木) 03:30:52.64 ID:dPqUrijH0

少女「それじゃあ、行ってきます!」

男「行ってきます…」

僕らは、我が家に暫しの別れを告げて、
新年薫る夜道を静かに歩き始めた。

男「風が強いな」

少女「ええ、冷たい……でも、不思議と不快感は無いですね」

男「そうだな、むしろ清々しいよ。ほら、見てごらん」

男「今日は月が綺麗だ」

僕に言われてはっとして、少女も夜空を見上げた。
「うわぁ、綺麗……」と驚嘆した。彼女も人並みの感性を持ち合わせていたようだ。

ここは純朴な田舎であるから、星の輝きを妨げるものは何もない。
夜空は月と星だけの、輝くキャンパスである。

男「……今年も、色々あったなあ」

少女「今回の一年は、とても充実したものでした……あなたとは違ってね」

男「そうか、それは良かったよ」

少女「……ええと、男に改まって言うのも照れるけど」

男「ん?」

少女は俯いて赤くなった。
そしてやっと絞り出せたようなか細い声で、


少女「ありがとう……」


と、言った。

男「お、おい嫌だなあ、感謝されるようなことはなにも……」

少女「いいえ。私は感謝しないといけない……」

少女「身寄りのない私をあなたは、僅かに血が繋がっているというだけで引き取ってくれました」

男「少女……」




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